夏に京都で行われる1大イベント、祇園祭。
この祭りは日本三大祭りの一つに数えられ、例年大変な盛り上がりを見せています。
そこで今回は祇園祭りとはどんな祭りなのか、日程や見どころ、スケジュールなどを紹介します。
2016年の開催日程はいつ?
祇園祭は7月1日から31日までの約1か月間、様々な神事が取り行われます。
吉府入
各町が祭礼奉仕を決定、神事の打ち合わせを行います。
7月1日午前10時
長刀鉾町お千度
町内役員がその年の稚児を連れて神事の無事を祈り、八坂神社を参拝します。
7月2日午前10時
鬮取式(くじとりしき)
17日・24日に行われる山鉾巡行の順位を決める為、各山鉾町代表者が市役所に集まります。そして市長が見守る中、くじ引きを行います。
7月2日午前10時
山鉾連合会社参
7月7日午後2時30分
綾傘鉾稚児社参
7月10日午前10時
幣切
長刀鉾町の神事に必要な御幣を、八坂神社の神職が奉製します。
神用水清祓式
「神輿洗」に使うための水を鴨川からくみ上げ、お祓いします。
7月10日午前11時
高橋町社参
7月10日午後4時30分
お迎提灯
提灯行列をつくって神輿洗の神輿を出迎えます。コース:本社→河原町四条→市役所→寺町通→四条通→東大路→神幸道→本社
7月10日午後8時
神輿洗式
四条大橋の上で神輿を清め、八坂神社で神輿を飾り付けます。
7月12日~13日
鉾曳初(ほこひきぞめ)/前祭
各鉾町の人達が町内でお囃子を奏でながら鉾をひきます。
7月13日~15日
舁初(かつぎぞめ)/前祭
「山建」で作った山を町内で担ぎます。
7月13日午前11時
長刀鉾稚児社参
長刀鉾稚児が立烏帽子水干姿で従者を伴い、馬に乗って八坂神社を参拝します。17日までは身を慎み、17日の巡行当日は長刀鉾正面に乗り太平の舞を舞います。なお、子どもが鉾に乗るのは現在長刀鉾のみとなっており、他の鉾には人形が乗っています。
13日午後2時
久世稚児社参
7月14日~16日夕方
宵山(よいやま)/前祭
各山鉾町で山鉾を飾り、祇園囃子を奏でます。
7月15日午前4時30分
斎竹建
長刀鉾稚児が太刀で斎竹に張られたしめ縄を切ります。
7月15日午前10時
生間流式庖丁
日本式庖丁道生間流が作った式庖丁が奉納されます。
7月15日午後3時
伝統芸能奉納
7月15日午後8時
宵宮祭
境内の明かりを消し、暗闇の中で神輿に御神霊を奉ります。
7月16日午前9時
献茶会
表千家・裏千家家元が隔年でお茶を奉仕します。
7月16日午前9時
豊園泉正寺榊建
7月16日午後6時30分
石見神楽
7月16日夕方
宵宮神賑奉納行事
7月16日午後11時
日和神楽
7月17日午前9時
山鉾巡礼/前祭
長刀鉾を先頭に祇園囃子を奏でながら指定のコースを巡ります。
7月17日午後4時
神幸祭
八坂神社3基の神輿が氏子区内をそれぞれ所定のコースを巡ります。
7月17日午後6時
神輿渡御
八坂神社3基が鴨川以東・河原町などを通り、四条寺町の御旅所に入ります。
7月20日~21日
鉾曳初・山舁初
7月20日午後3時
宣状式
花傘巡行に奉仕する馬長稚児・児武者の宣状が交付されます。
7月21日~23日夕方/後祭
宵山
7月23日午前9時
煎茶献茶会
在洛の煎茶道家元の輪番奉仕によって行われます。
7月23日午後1時
琵琶奉納
7月23日午後2時
オハケ清祓式
オハケとは水辺を表す芝生に神の依代である御幣を3本立てたものです。還幸祭の前に行われます。
7月23日午後10時
日和神楽
7月24日午前9時30分
山鉾巡行/後祭
橋弁慶山を先頭に後祭の鉾1基、山9基が各町を出て烏丸御池に集まり、祇園囃子を奏でながら所定のコースを巡ります。
7月24日午前10時
花傘巡行
傘鉾・馬長稚児・児武者などが行列を作り、所定のコースを巡ります。
7月24日午後11時
還幸祭
八坂神社3基の神輿がコースを巡り、御神霊を本社に還します。
7月25日午後1時
狂言奉納
7月28日午前10時
神用水清祓式
7月28日午後8時
神輿洗式
7月29日午後4時
神事済奉告祭
7月31日午前10時
疫神社夏越祭
参拝者は鳥居に設けられた大茅輪をくぐって厄を祓います。そして疫病から守ってくれる神様である蘇民将来子孫也(そみんしょうらいのしそんなり)の護符である「茅之輪守」と「粟餅」を社前でいただきます。
これで1か月にわたる祇園祭の幕が閉じられることになります。
京都祇園祭ってどんなお祭り?
この頃日本中で疫病が流行っており、京の都も例外ではありませんでした。そこで貞観11年(869年)平安京の中でも特に広かった庭園である神泉苑に、当時あった国の数と同じ66本の鉾(ほこ)を立て、祇園の神を祀ることにしました。
さらに洛中(京の都の中)の男児が神輿を神泉苑に送り、災厄のお祓いを願いました。これが今の祇園祭につながっていきます。その後、平安時代中頃から山車・田楽・猿楽なども加わり、祭りの規模も大きくなっていきました。
しかし、祇園祭は一度中断されたことがあります。それは応仁の乱(1467年)が起きた年です。この戦いは京都を舞台に行われたため、京の都は焼け、祭りも開けなくなりました。
けれども都の再興と共に祇園祭も明応9年(1500年)に復活しました。この頃より2日に行われる、山鉾巡行の順位を決める「鬮取式」(くじとりしき)が侍所で行われることになりました。
メインイベントスケジュールと見どころ紹介
祇園祭の最中、様々な神事が執り行われますが、その中でも特に盛り上がるメインイベントは以下の通りです。
(1)お迎提灯(7月10日)
「神輿洗」の神輿を迎えるため、万灯会有志が提灯を持って巡行します。コースは次の通りになります。
石段下
四条通西
河原町通北
17時30分 市役所前 舞踊を奉納。
寺町通南
御旅所
四条通東
円山公園
石段下 神輿洗の神輿を迎えます。
東大路南
神幸道東
20時30分 八坂神社 能舞台にて舞踊を奉納します。
(2)山鉾巡行
後祭:7月24日
20基を超える山鉾が並んで巡行する姿も見どころですが、一番の見どころは「辻回し」です。辻回しとは、山鉾を回して角を曲がることです。
また、後祭は2014年、幕末以来150年ぶりに復活したばかりなのですが、一番の見どころは「大船鉾」の辻回しです。大きな船の形をした鉾が3回から4回辻回しを行って角を曲がる姿はまさに荘厳です。
辻回しがどのようなものかは、こちらの動画で実際に見ることが出来ます。
【京都祇園祭後祭山鉾巡行北観音山南観音山&大船鉾の辻回しも Kyoto Gion Festival 2015】
こちらの動画では後祭に出る北観音山・南観音山・大船鉾の様子です。なお、後祭の時は山鉾の数は半減し、露店なども少なくなっています。しかし人通りも少ないため、より山鉾を楽しみながら見ることができます。
(3)宵山
15日と16日は歩行者天国になります。
後祭:7月21日~23日
歩行者天国にはならず、車両通行止めのみ行われます。
宵山はたくさんの提灯をつけた山鉾が、祇園囃子を奏でながら町内を巡ります。
(4)花傘巡行
以前は山鉾巡行が7月17日・7月24日に行われていましたが、1966年から2014年まで、山鉾巡行は7月17日のみ行っていました。そこで空いてしまった7月24日に行われはじめたのが花傘巡行です。こちらでは傘鉾・馬長稚児・児武者などが行列を作り、所定のコースを巡ります。山鉾巡行に比べ、芸能的な感じが強くなっています。
(5)還幸祭(7月24日)
八坂神社の神輿3基が夜に所定のコースを巡ります。提灯を吊るし、きれいにライトアップされた中を走る神輿はとてもきれいで、厳かな雰囲気が見られます。
山鉾とは?巡行ルート紹介
山鉾とは、祇園祭に出る山車のことをいいます。その中でも「鉾」は真木と呼ばれる飾りが天に向かって伸びています。一方「山」は真木に松の木を使っているのが特徴です。
そんな「山鉾」が通るルートは前祭と後祭で変わります。
(1)前祭(7月17日)
前祭では山鉾23基が順番に街を練り歩きます。
9:40 河原町四条を左折→川沿いに進む
10:35 河原町御池を左折→市役所前
11:25 新町御池を左折→烏丸御池へ
なお、河原町御池から新町御池の区間は有料観覧席が設けられています。
(2)後祭(7月24日)
①山鉾巡行
後祭では10基が町を練り歩きます。
10:05 河原町御池を右折→川沿いを進む
10:40 四条河原町を右折
11:22 四条烏丸
前祭とは逆に回り、有料観覧席は市役所周辺にのみ設けられています。
②花傘巡行
寺町通りに入るところで右折→市役所通り→河原町御池を右折→川沿いに進む
四条河原町を左折
11:43 八坂神社に戻る。
後祭の場合、有料観覧席はもちろんですが、無料で見ることができる範囲としては鴨川沿いがおすすめです。
宵山詳細について
宵山は山鉾巡行の前日に行われ、山鉾を提灯で飾り、祇園囃子を奏でます。きれいな山鉾や宵山の詳細についてはこちらの記事をご覧ください。
この記事では混雑状況やおすすめの場所の他、15日~16日の歩行者天国の期間に出店される屋台情報もあるため、宵山や山鉾を見る方ならぜひ参考になると思います。
いかがだったでしょうか。日本3大祭りの一つである祇園祭。その最大の魅力は山鉾と宵山ですが、他にも神楽や花傘巡行など、たくさんの神事が行われます。1か月にわたって続く京都のお祭り、ぜひ見に行ってみましょう。