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岸和田だんじり祭りの歴史は古い?だんじりの数は?見所は?

こんにちは、ライターのなみです。

毎年9月・10月に大阪府岸和田市北部で行われるだんじり祭り。勢いよく進むだんじりの迫力は満点、角地の家が壊れてしまうというのも納得ですよね。

ですが、建物を壊してしまうほど勢いよく走るだんじりは、いったいいつ頃から始められたのでしょうか。また、岸和田だんじり祭は最初からこのように勢いがある祭りだったのでしょうか。

岸和田だんじり祭りを見れば見るほど、岸和田だんじり祭りの歴史・技術に興味が湧いてきました。

そこで今回は岸和田だんじり祭りの歴史と走行するだんじりの数、見どころについて調べてみました。
 


 

岸和田だんじり祭りの歴史

時は元禄16(1703)年、江戸時代5代将軍徳川綱吉が治めている時代、岸和田藩主岡部長泰公は京都伏見稲荷の分霊を岸和田城内三の丸に移動、五穀豊穣を祈るために稲荷祭りを始めました。祭りが始まった当初は「にわか」や狂言といった芸事を演じた後、神社に参拝していました。

その後城下の町民が祭礼時に城に入ることを許されるようになり、車輪をつけた台車に鳴り物を乗せて神楽獅子を舞ったり、奉納相撲が行われました。そして小さな軽いだんじりを作り、その上に人や風景などを模した飾りものを乗せて曳くようになりました。

天明5(1785)年頃には岸和田城下北町の商人が大型のだんじりを購入した記録がありますが、城門をくぐれないという問題がありました。そこで岸和田地方では城門がくぐれるよう独自の進化を果たしてきました。
 

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その後、昭和に入り高速で走行し停止せずに辻を一気に回す「やり回し」を導入。そして昭和47年、NHK「ふるさとの歌祭り」で紹介されて以降、全国的な祭りとなりました。

現在ではだんじりを所有する町会がさらに増加、「春木だんじり祭り」も同日開催ということもあり、南北3.5km・東西1kmの範囲が交通規制される大規模な祭りとなっています。

春木だんじりって何?って思われた方のために…。岸和田だんじり祭りと春木だんじり祭りの違いについてこちらの記事で紹介しています。ぜひ、ご覧ください。
 

 

なお、今回は岸和田だんじり旧市と春木だんじりを合わせて紹介させていただきます。今年の岸和田だんじり祭りの開催日程について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
 

 

岸和田だんじり祭りは試験曳き・宵宮・本宮の3種類が地域によって9月・10月に分かれて行われます。事前に日程ややり回し時間も知らされているので、その年の日程をしっかり把握しましょう。
 

 

だんじりの数

岸和田だんじり祭りは地区によって9月開催のところと10月開催のところがあります。では、それぞれどの程度のだんじりが走行するのでしょうか。
 

9月祭礼

9月祭礼には岸和田地区・春木地区が参加します。

宵宮
・岸和田地区:だんじり全22台
 午前曳行・午後曳行とも岸和田駅前を事前に決められた順番の通りに進みます。
・春木地区:だんじり全15台
 午前曳行・午後曳行とも南海本線春木駅のすぐ近く、春木ラパーク前を事前に決められた順番の通りに進みます。

本宮の宮入りについて
 岸城神社:岸和田地区から15台
 岸和田天神宮:岸和田地区から6台
 弥栄神社:岸和田地区から1台・春木地区から15台
 

10月祭礼

10月祭礼には旭・太田、修斉、南掃守、八木、山直、山直南、山滝の各地区が参加します。こちらは各地区ごとに回る場所が異なります。
 

①東和田地区
1日目は11台のだんじりが東岸和田駅前を走ります。2日目は土生神社・波多神社・岸和田天満宮に1台ずつ、矢代寸神社に5台、意賀美神社3台が宮入りします。
 

②南掃守地区
1日目はチビッコだんじりを先頭に9台のだんじりが下松駅前を走ります。2日目は兵主神社・菅原神社(尾生町)に3台ずつ、岸和田天満宮・菅原神社(上松町)に1台ずつ宮入りします。
 

③八木地区
八木地区の場合、1日目に11台のだんじりが夜疑神社に宮入りします。2日目は13台のだんじりが久米田寺に行基参りを行います。
 

④山直地区
山直地区では1日目に8町が、2日目に10町が大通りを行きます。このとき、決められた道を何周か回った後自由に回ります。
 

⑤山直南地区・山滝地区
山直南地区・山滝地区のパレード・宮入りは少々複雑です。1日目の午前中、大澤神社に1台・山直神社に2台が宮入をします。そして1日目の午後に8町がパレードを行います。2日目には午前中に積川神社に5台が宮入り、午後には山直南地区で6台・山滝地区で3台がパレードを行います。1日目と2日目で各だんじりが回る場所が違うのも特徴的です。
 

岸和田だんじり祭りの見どころ

岸和田だんじり祭には様々な見どころがありますが、なかでも最大の見所は、「やり回し」です。

通常山車や屋台が角を曲がる場合、速度を一度緩めて慎重に角を曲がります。しかし岸和田のだんじりの場合、速度を落とすことなく、直角に向きを変えていきます。

だんじりは重さ4トンを超え、角を直角に曲がるのは至難の業。そこで、場所ごとに役割が分担されています。

「綱先」「綱中」「綱元」と綱を操作する役割が分かれています。また、だんじりの方向を制御する「前梃子」、だんじりの屋根に乗り後ろに方向を伝える「大工方」、舵をとる「後梃子」が力を合わせだんじりを走行させます。

実際、やり回しがどれほど危険で迫力あるものなのか、こちらの動画では難関の一つ、「カンカン場」での失敗・成功例を見ることができます。
 

【岸和田だんじり祭り 2011 カンカン場事故&ギリギリセーフやりまわし集】
 

 

様々な角度から映されているので、それぞれがどのような役割を果たしているのかも見ることができます。迫力満点な岸和田だんじり祭りには、当日専用の観覧席もあります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
 

 

こちらの記事には岸和田市周辺の穴場のお店も紹介されています。
 


 

まとめ

今回、この記事では次の内容を紹介しました。

・岸和田だんじり祭りの歴史
岸和田だんじり祭りは江戸時代中頃から岸和田城内の神社で始まりましたが、当初は狂言などを奉納する祭りでした。やがて庶民も祭りに参加するようになり、台車に鳴り物を乗せて舞ったりするようになり、徐々にだんじりが走るようになっていきました。そして昭和の時代になってから、今のような高速でだんじりが移動する祭りへとなっていき、テレビで紹介されてから全国的な祭りとなりました。

・だんじりの数
(1)9月祭礼
宵宮
・岸和田地区:だんじり全22台
・春木地区:だんじり全15台
本宮の宮入り
 岸城神社:岸和田地区から15台
 岸和田天神宮:岸和田地区から6台
 弥栄神社:岸和田地区から1台・春木地区から15台

(2)10月祭礼
10月祭礼には旭・太田、修斉、南掃守、八木、山直、山直南、山滝の各地区が参加します。
① 岸和田地区
1日目:11台
2日目:
土生神社・波多神社・岸和田天満宮に1台ずつ
矢代寸神社に5台、意賀美神社3台が宮入りします。

② 南掃守地区
1日目:チビッコだんじりを先頭に9台
2日目:
兵主神社・菅原神社(尾生町)に3台ずつ
岸和田天満宮・菅原神社(上松町)に1台ずつ

③ 八木地区
1日目:11台
2日目:13台

④ 山直地区
1日目:8台
2日目:10台

⑤山直南地区・山滝地区
1日目午前中:大澤神社に1台・山直神社に2台
1日目午後:8台
2日目午前中:積川神社に5台
2日目午後:山直南地区で6台・山滝地区で3台

・岸和田だんじり祭りの見どころ
岸和田だんじり最大の見所がやり回しです。「綱先」・「綱中」・「綱元」・だんじりの方向を制御する「前梃子」・だんじりの屋根に乗り後ろに方向を伝える「大工方」・舵をとる「後梃子」が力を合わせ、だんじりを全力走行させながら角を曲がります。速度があるため勢いも強く、角での観覧は危険なものとなっています。

私の家の近くでもお祭りの際山車(だんじり)が走行しますが、あのお囃子の音色を聴くとなんだか心がウキウキします。そんな山車が勢いよく走っていくとなると、心の高揚感はさらに高まることでしょう。今回岸和田だんじり祭りを調べてみて、自分も生でだんじりの臨場感を味わってみたいと強く感じました。

今年は岸和田へ行ってみましょう!

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