マナー

キリスト教葬儀のマナー、流れや作法、服装から香典まで解説

ライターのyuzuharuです。

知り合いや大事な友人…さまざまな関係の方との悲しいお別れは、ある日突然誰にでもやってきます。

しかし、葬儀は人生の中で頻繁に経験するものではありません。

どういったルールがあるのか、どういう事をしてしまうとマナーが悪いのか、わからないことがありますよね。

私自身は40代目前にして葬儀にまつわるマナーやルールなど身に着けておきたかったのですが、いまだにある日突然の訃報にあたふたし、不安になってしまいます。

ましてやキリスト教の葬儀にいたっては、今まで参列する機会がなかったので必要な知識を持ち合わせていません。

しかしながらキリスト教信者の方は現在日本に約200万人いると言われています。ということは、葬儀に参列する可能性はこの先十分あるわけです。

何も知らずに参列すると年齢的にも恥をかいてしまいますし、40代を数年後に迎えようとする今、年齢にあった常識やマナーをこの機会に身に着けたいと思い、調べてみました。

同じようにお困りの方や、不安な方がおられましたらぜひ読んで活用していただければと思います。 
 


 

キリスト教葬儀の流れ

まずキリスト教の葬儀の流れをご紹介したいと思いますが、キリスト教はカトリックと、プロテスタントの二つに分かれています。実はこの二つは考え方や葬儀の流れも違いますので、順に説明していきたいと思います。
 

①カトリックの場合
カトリックの場合は儀式を重んじるため葬儀と別に告別式も行われます。葬儀、告別式の流れと内容を表にしましたので参列する際参考にしてもらえればと思います。

葬儀の流れ
1 入堂聖歌
聖歌と共に神父が入堂し、その後棺と遺族が入場します。

2 開式の辞
祈りの後、祭壇と棺に撒水をし、司祭が祭りの言葉を述べ開式に入ります。

3 葬儀のミサ
言葉の典礼と感謝の典礼が行われます。故人が復活の神秘を預かって永遠の命を得られるよう祈るという聖体拝領という儀式です。

 

告別式の流れ
1 入堂聖歌
葬儀と同じ。

2 聖歌斉唱
参列者全員で聖歌を歌います。

3 弔事・弔電の紹介

故人の略歴および弔事・弔電の紹介が行われます。

4 献花
献花を行います。順番は喪主・遺族・親族・一般会葬者になります。

5 遺族の挨拶
喪主が挨拶を行います。参列者が多い場合は、献花の前に行う場合もあります。

葬儀、告別式が行われる場所は故人が生前所属していた教会が一般的です。一般的な葬儀、告別式の流れ、内容は表の通りになりますが、教会や神父によって多少内容が変わる場合もあります。カトリックでは、故人は神に召され委ねられると考えられており、葬儀ではキリストの再臨、死者の復活が願われます。

カトリックについて詳しく知りたい方はこちらで紹介されていますので参考にしてみてください。
 

 

②プロテスタントの場合
葬儀に関しては神に感謝と遺族を慰める意味合いで執り行われます。またカトリックと違い告別式、葬儀は分けずに一緒に行います。表にしましたので、参列する際の参考にしていただければと思います。

プロテスタント 葬儀、告別式の流れ
1 入場
オルガン演奏の中、牧師を筆頭に棺、喪主、遺族が入場します。

2 聖書朗読・祈祷
牧師による聖書の朗読、祈祷。参列者は黙祷を行い、そのあと聖歌の斉唱を行います。

3 牧師による説教
牧師による故人の紹介。その後説教が行われます。

4 弔辞・弔電の紹介
弔辞・弔電の紹介が行われます。

5 祈祷・オルガン演奏
オルガン演奏を聴きながら黙祷を行います。

6 告別式の祈り・献花
牧師が祈りをささげた後、賛美歌斉唱・献花を行います。

7 遺族の挨拶
遺族の挨拶が行われます。

 

プロテスタントの死に対する考え方は、故人は神のもとで安らかになるという思想です。こちらもカットリックと同様に牧師や教会によって多少執り行われる内容が変わる場合があります。プロテスタントについて詳しく知りたい方、また注意点を知りたい方はこちらで紹介していますので参考にしてみてください。
 

 

また下記の動画ではキリスト教の葬儀の様子を見ることができます。
葬儀の雰囲気がわかり落ち着いて参列できるかと思います。
 

【Funeral 2/2 -葬式】
 

 

葬儀はどんな服装がいいの?

次に気になるのが葬儀に参列する際の服装です。カトリックとプロテスタントの葬儀に服装の違いはありません。男性であれば、喪服かダークスーツ、靴は黒色の革靴がベストか思います。女性なら喪服や黒色のワンピース、またはスーツ、アンサンブルで問題ありません。

靴は黒系のヒールの低いものにし、黒色のストッキングを着用します。ハンカチの色は白か黒系の物がベストです。アクセサリーに関しては仏式と同じように、付けたとしても真珠の物のみで控えめにします。また、カトリック女性信者の場合は黒いベール付の帽子をかぶるのが正装ですが、信者でない場合はかぶらなくて大丈夫です。
 

 

どんなカバンで行けばいい?数珠のようなものあるの?

服装は仏式と同じで大丈夫なのはわかったけれど、ではカバンは?仏式なら数珠が必要だけど…それに代わるようなものはあるの?と疑問ですよね。カバンに関して言えば仏式と同じように、黒系のバッグで問題ありません。数珠に関してですが、日本人は他の宗教に対してのこだわりが少ないように感じがちで持っていきそうになりますが、そうでない場合もあります。

故人の宗教を尊重する意味でも持っていかない事が無難です。また数珠ではなく、キリスト教だからロザリオを持っていくの?と疑問に思う方もおられるかもしれませんが、こちらも持っていく必要は特にありません。信者ならまだしもそうでない場合は失礼だとみなされるかもしれませんのでこの点には気を付けてください。


 

ご香典袋にはなんて書けばいいの?

次に気になるのが、ご香典です。仏式でいう香典ですが、キリスト教では香典ではなく、「御花料」といいます。キリスト教で使用する熨斗袋(百合の花や十字架の描かれたもの)、もしくは白無地の封筒を使用します。表書きには「御花料」とフルネームを記入し葬儀受付にて渡します。

仏式でもルールがあるようにこの「御花料」にもまたいくつかのルールが決まっています。詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
 

 

仏教のお焼香みたいな作法はあるの?

キリスト教には仏式でいうお焼香はありません。その代わりに仏式のお焼香に当たるものは「献花」になります。献花をすることにより故人に祈りをささげることになります。また献花はご焼香と同様にルールがあります。

葬儀に参列する場合、あらかじめ作法を把握しておけば手順をこなすことに囚われず、故人へのお悔やみに気持ちを集中させることができます。献花の作法やルールなどを詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
 

 
 

 

まとめ

◎キリスト教葬儀の流れ
カトリックでは葬儀と告別式をそれぞれに、プロテスタントでは葬儀と告別式を一緒に執り行います。詳しい葬儀の流れについては、記事内の表を参考になさってください。

◎葬儀に参列する際の服装は?
カトリックとプロテスタントで、服装の違いはありません。仏式と同じように喪服・ダークスーツ・黒のワンピースやアンサンブル・黒の靴で参列することができます。女性の場合、アクセサリーは真珠のものにします。

◎バッグはどうする?数珠のようなものは?
バッグも黒系のものであれば問題ありません。参列者がクリスチャンでない場合は仏式の数珠にあたるロザリオ(カトリックに限る)などを持っていく必要はありません。

◎ご香典袋やお焼香は?
キリスト教の葬儀ではご香典ではなく「御花料」をお渡しします。熨斗袋は百合の花や十字架が描かれたもの・白無地のものを使用します。また、仏式で行われるお焼香の代わりに「献花」を行い、故人に祈りをささげます。御花料や献花についての詳しい作法に関しては記事内のリンクを参照ください。

いかがだったでしょうか?

今まで仏式の葬儀にしか参列したことのなかった方にもキリスト教にはカトリック、プロテスタントがあり、葬儀の違いやそれぞれに色々なルールやマナーがある事を知っていただけたのではないでしょうか?

不幸ごとが無いに越したことはありませんが、参列する際の知識として役立てていただき、またご自身の安心できる知識として覚えてもらえるとうれしく思います。

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