10月の終わりから11月にかけてのこの季節、各地の神社へ七五三詣でに訪れる3歳から7歳までの子どもたちの晴れ姿は、家族だけでなく見る人の心を和ませます。
けれど新米パパママは男の子と女の子の参詣年齢の違い、満年齢や数え年など、しきたりやご両親の意見の食い違いに戸惑うことがあるかもしれません。
七五三って、本当はいつお祝いすればいいのでしょうか?
3歳「髪置きの儀」男女共通
江戸時代、3歳までの子どもは髪を剃る習慣がありましたが、3歳になると髪を伸ばし始めるため、節目を祝う行事とされてきました。
これは現代でも男女に共通するお祝いとされています。
5歳、男の子の「袴着の儀」
それまでの子供用の着物から、袴を着始める節目となる行事です。
もともと平安時代から男女に共通して行われて来ましたが、江戸時代あたりから男の子の行事とされています。
男の子が女の子より早く祝うのは、後継者としての意味合いと、医療が現代のように発達しておらず子どもの生存率が低かった時代、女の子より男の子の方の生存率が低かったためであるとも言われています。
7歳、女の子の「帯解きの儀」
こちらは女の子が細いひも上の帯から、幅の広い大人と同じ帯を結び始める時期を祝うものです。
現代の七五三風景でも、7歳になった女の子の晴れ着姿は大人の女性を思わせるような華やかさで、もうすっかりお姉さんなのだと感慨深い気持ちになるものです。
満年齢と数え年、どちらでお祝いするのが正しいの?
もともと七五三を祝うのは江戸時代に始まった神事なので、旧暦の数え年で計算するのが正しいとされてきました。
数え年とは生まれた年を1歳として計算し、お正月を迎えるたびに年齢が上がるという考え方、満年齢とは生まれた時を0歳、その後は誕生日にひとつ年をとるという現在の考え方です。
そのため、数え年で考えると同い年でも生まれ月によってずいぶん成長に差が出てきます。
大きくなれますように 各地で七五三
古代からもはっきりと何歳のいつと決められていた行事ではなく、子どもの成長に合わせて日取りなどが良い時に行われていたものであるため、必ず数え年の3歳・5歳・7歳にお祝いしなければならないというものではありません。
兄弟の出産や七五三に合わせて家族がお祝いしやすい時期に行うのがよいタイミングと言えそうです。
早生まれの子の七五三
早生まれの子は数え年で祝うのが正しいという考え方があるようですが、これにも明確な決まりがあるわけではありません。
ただ3歳の場合は早生まれだと2歳の半ばで七五三を迎えることになります。
普段着なれない晴れ着を着せて写真を撮ったり、お祓いをしてもらったりと長時間じっとしていられない年齢の子どもには満年齢でお祝いする方が、家族もより楽しめるかもしれません。
伝統行事であると思うとしきたりや時期など堅苦しくとらえてしまいがちですが、子どもの成長を祝う節目として、昔からそれぞれの行事のタイミングは柔軟に考えられてきたようです。
大切なのは子供の健やかな成長を家族があたたかく見守ってあげられることでしょう。