下痢と嘔吐がおさまらない!
胃腸風邪になったときの苦しさは言葉では言い表せないほどつらいですよね。
お子さんはとくにかかりやすい胃腸風邪。
実はさまざまな原因によって発症します。
この記事では以下の病原菌から起こる胃腸風邪についてまとめました。
◎ ウイルス性
・ロタウイルス
・ノロウイルス
・アデノウイルス
◎ 細菌性
・腸炎ビブリオ
・サルモネラ
・カンピロバクター
・病原性大腸菌(O157)
感染力がとても強い!ウイルス性の胃腸炎
まずはウイルス性の胃腸風邪から見ていきましょう。
原因となるウイルスは感染力がとても強く、幼稚園や学校などで集団感染を引き起こします。
「春はロタ、冬はノロ」と言われ、季節を問わず感染します。
しばしば子供からの第二次感染で大人も発症します。
発熱に伴う寒気のほかに、嘔吐や下痢が症状として現れます。
ここでは、以下のウィルスについて説明します。
◆ ロタウイルス
3月~5月にかけて流行します。
b& 原因
ロタウイルス
b& 症状
・嘔吐
・発熱
・腹痛
・水様性下痢
まず嘔吐から始まり、腹痛、下痢と続きます。
b& 家庭での対処法
脱水症状になりやすいので、水分をしっかり補給しましょう。
下痢でウイルスを体外に出すため、下痢止めの使用は避けてください。
ご家族がいる方は衛生管理に気を付けて下さい。
糞便の処理はゴム手袋を着用して行いましょう。
b& 感染の可能性
飲食物を吐いたり、水のような下痢をしている場合は感染が疑われます。
b& 受診料
便を採取して検査します。
料金は3000~5000円。
加えて初診料、再診料がかかります。
ロタウイルスは次に触れるノロウイルスより症状が重くなる傾向にあり、さらに乳幼児の感染が多いです。
下の動画で乳幼児のワクチン接種について紹介しています。
【ロタウイルス胃腸炎って何?】
◆ ノロウイルス
年間を通して発生しますが、おもに冬季に感染が多発するウイルスです。
b& 原因
ノロウイルス
b& 症状
・嘔吐
・腹痛
・水様性下痢
・発熱
b& 家庭での対処法
脱水症状になりやすいので、水分補給を行ってください。
下痢止めはロタウイルスと同様、避けてください。
ご家族がいる方は衛生管理に気を付けて下さい。
糞便の処理はゴム手袋を着用して行いましょう。
b& 感染の可能性
次の症状があてはまると、感染の可能性があります。
・37~38℃の発熱
・嘔吐、吐き気、水のような下痢
b& 受診料
便を採取して検査します。
料金は3,000~5,000円。
加えて初診料、再診料がかかります。
◆ アデノウイルス
アデノウイルスについては下の記事にまとめていますので参考にしてください。
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症状が重くなる!細菌性の胃腸風邪
細菌性の胃腸風邪は主に食中毒と呼ばれるものです。
食べ物が痛みやすい夏場に多く発症します。
原因菌を含む食べものを大勢で食べてしまうと、集団で発症する危険性があります。
ウイルス性より症状が重くなるケースが多いです。
◆ 腸炎ビブリオ
毎年、食中毒で苦しむ人があとを絶たないほどまん延する菌です。
b& 原因
腸炎ビブリオ
海産物に付着する菌で、調理器具や冷蔵庫に菌の付着が拡散します。
b& 症状
・水様性下痢
・腹痛
・嘔吐
・発熱
下痢と腹痛は必ずあらわれ、症状が重くなることが多いです。
b& 家庭での対処法
下痢やおう吐で細菌を体外へ排出するため、下痢止めは使わない方が賢明です。
脱水を防ぐため可能な限り水分補給をしましょう。
ご家族がいる方は衛生管理に気を付けて下さい。
糞便の処理はゴム手袋を着用して行いましょう。
b& 感染の可能性
海産魚介類(とくに生)をおおよそ10~30時間(潜伏期)前に食べていれば腸炎ビブリオ食中毒の可能性が高くなります。
b& 受診料
2,500円から5,500円ほど検査料金がかかります。
加えて初診料や再診料が発生します。
◆ サルモネラ
腸炎ビブリオと同様、食中毒の発生件数が多い警戒すべき細菌です。
b& 原因
サルモネラ菌
牛肉、豚肉、鶏肉、動物の内臓などに生息しています。
b& 症状
・腹痛
・水溶性下痢
・発熱
・おう吐
腹痛、下痢、発熱が主症状です。
b& 家庭での対処法
下痢をすることで細菌を体外に排出しているので、下痢止めの使用はなるべく避けましょう。
脱水を防ぐため可能な限り水分補給を行いましょう。
ご家族がいる方は衛生管理に気を付けて下さい。
糞便の処理はゴム手袋を着用して行いましょう。
b& 感染の可能性
肉類や鶏卵をおおよそ5~72時間(潜伏期)前に食べていればサルモネラ食中毒の可能性が高いです。
またペットと触れることで感染する可能性もありますので、1日~2日の間に、動物に触れた場合も感染の疑いが出てきます。
b& 受診料
2,500円から5,500円ほど検査料金がかかります。
加えて初診料や再診料が発生します。
◆ カンピロバクター
カンピロバクターは食中毒の発生件数が最も多い細菌です。
b& 原因
カンピロバクター菌
ウシ、ブタ、ヒツジ、ニワトリなどの動物の消化管内に生息しています。
b& 症状
・下痢
・腹痛
・発熱
・倦怠感
・頭痛
中には血便が出る人もいます。
b& 家庭での対処法
下痢止めは使用しない方が無難です。
脱水症状を防ぐために水分補給をしましょう。
ご家族がいる方は衛生管理に気を付けて下さい。
糞便の処理はゴム手袋を着用して行いましょう。
b& 感染の可能性
下痢や腹痛がひどい場合は感染が疑われます。
潜伏期間が1日~7日と長く、感染経路が確認しにくいため、病院で検査をした方が確実です。
b& 受診料
検査料金は3,000~5,000円。
加えて初診料、再診料がかかります。
◆ 病原性大腸菌(O157)
わずかな菌が口から入っただけでも発症します。
感染力が強いため、一年を通して感染の危険がある菌です。
b& 原因
腸管出血性大腸菌(O157)
感染力が高いほかに、強い毒性を持つ恐ろしい菌です。
b& 症状
・水様性下痢
・出血性下痢
・腹痛
・おう吐
水っぽい下痢から血の混じった便になるのが特徴。
症状が進むにつれ腹痛が激しくなります。
b& 家庭での対処法
無理に下痢を止めると腸内に病原菌を閉じ込め増殖してしまい、毒素を大量に発生させるため下痢止めの使用はやめましょう。
脱水を防ぐため可能な限り水分補給を行いましょう。
ご家族がいる方は衛生管理に気を付けて下さい。
糞便の処理はゴム手袋を着用して行いましょう。
b& 感染の可能性
潜伏期間が4~9日あり、その後発症します。
症状が重くなる病気だけに初期症状の下痢と腹痛が現れたら、すぐに病院へ行きましょう!
b& 受診料
検査料金は2,500~5,000円。
加えて初診料、再診料がかかります。
とても恐い胃腸風邪。予防は出来る?
ウイルス性の胃腸風邪を予防するためには、マスクの着用と手洗いうがいが大切です。
外出先のトイレはとくに注意が必要で、自分が感染していなくても利用した人が感染している場合があります。
糞便からもウイルスは感染するので、手洗いうがいとマスクの着用は徹底しましょう。
細菌性の胃腸風邪を予防するためには加熱が一番です。
ここで紹介した菌はすべて熱に弱いので、調理する際は十分に加熱しましょう。
調理器具にも菌は付着するので、まな板や包丁など使った調理器具はきれいに洗浄・消毒しましょう。
熱を伴う風邪の原因や対処法にはたくさんの種類があります。
こちらの記事では、自分の症状に合った対策を見つけるための情報をまとめました。
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一口に胃腸風邪と言っても、そのタイプは様々です。
中には命にかかわる恐ろしいものもあります。
ぜひこの機会に胃腸風邪のことを知ってもらい、予防と対処に役立ててもらえれば幸いです。