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お中元を贈る正しい時期はいつ?お中元のマナーと基礎知識

7月から8月にかけて、日ごろお世話になっている方に感謝の意を込めて贈りものを贈る風習として、お中元があります。

この記事では、お中元の由来や贈ってよいものと悪いものなど、お中元を贈るうえで知っておきたい基本的な知識を紹介します。
 


 

お中元の時期は?関東・関西の違い

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もともと陰暦の7月15日に行われていた中元ですが、暦が陽暦に変わったことで日付が約1か月ほどずれるようになりました。そのためか、地域によってお中元の時期も違います。

(1)北海道
御中元:7月下旬~8月15日
残暑御見舞・残暑御伺:8月16日~9月上旬

(2)北陸・関東・東海
御中元:7月1日~7月15日
暑中御見舞・暑中御伺:7月16日~8月7日(立秋)
残暑御見舞・残暑御伺:8月7日(立秋)~9月上旬

(3)関西・中国・四国
御中元:7月15日~8月15日
残暑御見舞・残暑御伺:8月16日~9月上旬

(4)九州
御中元:8月1日~8月15日
残暑御見舞・残暑御伺:8月16日~9月上旬

このようにみると、関東地方などでは早めにお中元を贈りますが、ほかの地域ではお盆の時期に合わせて贈ることが多いようです。ただし、最近では西日本でも早めに贈る方が増えてきています。

 

 

どんなものを贈ればいい?品物選びのポイント

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相手に感謝の意を示すお中元ですが、贈り物としてふさわしいもの・ふさわしくないものがあります。
 

(1)贈り物にふさわしいもの
お中元の際、贈りものにふさわしいものはやはり相手が好きなものです。例えば、お酒が飲めない人にお酒を贈っても仕方がありません。相手の家族構成や好み・季節に合ったものを選ぶ必要があります。

なお、お中元にもらってうれしい品としては、以下のものが挙げられています。

・商品券
・ビール
・産直の生鮮食品
・洗剤
・コーヒー
・調味料・食用油
・ハム・ソーセージ
・そうめん
・ジュース
・のり・乾物

このように、お中元でもらってうれしいものは人によって異なります。この記事ではお中元におすすめの商品が紹介されている為、ぜひご参考下さい。
 

 

(2)贈り物にふさわしくないもの

①現金・商品券
相手が上司や目上の方の場合、現金に近いものを贈ると受け取った側が施しのイメージを受けます。最近ではお中元に贈るものとして商品券の人気は上がっていますが、仲のいい友人や後輩で、引っ越しや出産・子育て中などでお金を明らかに必要としている場合のみにしましょう。
 

②下着・肌着・靴下
下着・肌着・靴下も贈ると相手に施しの印象を与えてしまいます。
 

③刃物・鋭利なもの
刃物には「縁を切る」という意味が込められています。また鋭利なもの、例えば文房具でも同様の連想を持たれる可能性があるため、目上の方に贈るのは避けましょう。
 

④ハンカチ
ハンカチを漢字で書くと「手巾」となります。この字は「手切れ(てきれ)」とも読めるため、別れを連想させます。
 

⑤櫛(クシ)
日本では昔から、9と4の数字を避けてきました。これは、9は「苦」、4は「死」を連想させるためです。櫛はまさにこの2つの言葉からできているため、あまりよく思われません。
 

⑥靴・サンダルなど足に身をつけるもの
戦国時代、武将は相手に草履を贈って相手を怒らせました。それは、草履には「相手を踏みつけてやる」という想いが込められていたためです。現在でも同様に、「相手を踏みつけてやる」と捉えられてしまうため、贈らないようにしましょう。
 

⑦時計・鞄
時計や鞄は仕事に必要不可欠なものです。そのため、「勤勉」を連想することができるため、目上の方には贈らないようにします。
 

⑧生鮮食品・冷凍・冷蔵が必要なもの
最近では高級なお肉や魚など、生鮮食品や冷蔵・冷凍が必要な食品もお中元で贈れるようになってきています。しかし、これらの品を贈る場合、相手に事前に確認する必要があります。

例えば、相手が引っ越したばかりで冷蔵庫がなかった場合・冷蔵庫が小さかった場合、また長期外出中で相手が受け取れない場合など、せっかく生鮮食品をもらっても保管することが出来ない場合や、受け取ることが出来ない場合があります。事前に送り状を送り、どのような品物を贈るかを伝えた方が良いでしょう。

 

(3)お中元の予算
お中元で悩むのが予算です。これは、日ごろお世話になっている度合いに応じて予算を決める必要があります。一般的によく贈られるお中元としては、両親・上司宛の場合で5,000円程度、兄弟・友人知人・仕事の得意先に贈る場合で3,000円程度が多くなっています。

感謝の意を示すことは大切ですが、あまり高価なものを贈ると相手が委縮してしまうため、注意が必要です。また、毎年贈る場合は急に金額を下げないようにする必要があります。

 

どんな人に贈る?

(1)贈るべき相手
お中元は感謝の気持ちを伝えるものです。そのため、具体的に誰に贈らなければならない、という決まりはありません。遠く離れた両親や親族、会社の上司や恩師・主治医など日頃からお世話になっている方に贈る場合が多いです。

ただし、会社の場合は社内ルールや慣習が定められていることがありますので、事前に周りにしっかりと確認するようにしましょう。
 

(2)相手が喪中の場合
相手が喪中の場合でも、感謝の意を示すことに変わりはないので贈りものを贈っても大丈夫です。ただし、贈る際には何点か注意点があります。

①時期を考える
相手に贈る際、最初に気をつけるべきは時期です。四十九日を過ぎていない場合は、四十九日が過ぎてから贈ります。

②名称
相手に贈る際、「御中元」ではなく、「暑中御見舞」「残暑御見舞」といった名称で贈るようにします。

③のし紙の種類
のし紙は紅白の水引がひかれておらず、上書きに文字を書かない無地のしを選びます。

 

お中元の意味は?

(1)中国
中国に伝わる宗教の一つである「道教」では、陰暦の1月15日を上元、7月15日を中元、10月15日を下元と定めていました。道教で中元は人間贖罪(しょくざい)の日と定め、一日中火を焚いて神を祀りました。

一方、仏教では陰暦の7月13日から7月16日の4日間、祖先を迎え入れて祀る「盂蘭盆会(うらぼんえ)」が行われていました。宗教は違いますが、ほぼ同じ時期に「中元」と「盂蘭盆会」が行われていたため、次第に2つの行事が混ざり、「中元」の日に祖先の霊を迎え入れて祀るようになりました。

なお、なぜ上元・中元・下元がこの日になったのかなど、詳しくはこちらの動画で紹介しています。
 

【堺西栄寺 朝の法話 27/7/26 お中元の由来】
 

 

(2)日本
日本では江戸時代以降、お盆の時期に親類や知人が往来し、お盆のお礼として贈り物を贈る風習が生まれました。やがて、夏にお世話になっている人に感謝の意を込めて、贈りものを贈る時期のことを「中元」と呼ぶようになりました。
 


 

忘れてはいけない「のし」の書き方

贈答品には「のし」をつけることが風習となっています。お中元は夏、感謝を示す贈答品のため、「のし」をつけて贈る必要があります。
 

(1)のしの由来
日本には古来より、神に魚や肉など、生臭いものを贈る風習がありました。そこから、品物を贈る際には「その品物はけがれていない」ことを示すため、「のし」をつけるようになりました。

そして、のしで使用されていたのは、アワビを干した「のしアワビ」でした。アワビは貴重な品で不老長寿の象徴とされていました。また、「のし」には「長く伸びる」という意味があったことから、良いことが長く伸びるように、という想いを込めて贈答品に「のし」をつけるようになりました。

そのため、弔事の際には「のし」は使用しません。また、現在では掛紙に印刷されるようになりました。
 

(2)掛紙とは
品物を贈る際、品物をむき出しの状態で贈るのは失礼なことです。そこで、品物を贈る際、和紙でくるんで贈るようになりました。現在ではのしが印刷された掛紙を使用します。
 

(3)掛紙をかける位置
掛紙のかけ方は、包装紙で包んだ上から掛紙をかける「外のし」と、掛紙をかけたうえから包装紙で包む「内のし」があります。通常は「内のし」を使用します。また、「掛紙」の端が重なるときは、左側を上にするようにします。

のし・掛紙の書き方は贈る人数、贈り先によって書き方が変わります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
 

 

また、のしには様々な種類がありますが、種類についても詳しく書かれています。

 

いかがだったでしょうか。贈るもの・時期・マナーも大切ですが、最も大切なことは相手に感謝の意を示すことです。相手のことを想い、相手が喜びそうなものを贈りましょう。

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