日本のお正月もすっかり終わって節分の話題と一緒によく聞くようになる「春節」。
春節とは中国の旧暦の正月(旧正月)のことです。
日本ではあまり馴染みのない行事ですので、よく知らない方も多いと思います。
でも実は、日本でも春節のお祭りを楽しめる場所があるのです。
春節とはどんな行事なのか?
2016年の春節はいつなのか?
どんなお祝いの仕方をするのか?
日本で行われる春節のお祭りはどんなものがあるのか?
日本でも体感できる春節をご紹介したいと思います。
春節とは?
日本では太陽暦で元旦を祝いますが、中国では太陰暦(旧暦)で元旦を祝います。
太陰暦とは月の満ち欠けの周期をもとにした暦で、1年が354日です。
今は日本も中国も一年が365日の太陽暦を使っていますので、ずれが生じ、年によって春節の日にちが変わります。
◎2016年の春節◎
2月8日(月)
◎春節休みの期間◎
2月7日(日)から13日(土)までの1週間
◎過ごし方◎
●地方から働きに来ている労働者の多くが春節には帰省します。
日本の正月のように大型の連休になるので、家族で海外旅行などに行く人も増えています。
●大晦日の夜には家族で集まって日本でいうところのおせちのような正月料理を食べます。
また、日付が変わる頃花火や爆竹で盛大に新しい年を祝います。
最近は、深刻化する大気汚染の影響で規制をするところもあるようです。
●元旦から4日までは親戚に挨拶周りをしたりして過ごします。
●旧暦の1月5日はお金の神様「財神」がやってくる大切な日で、花火や爆竹を最も盛大に打ち上げて財神を迎えます。
●旧暦1月15日は元宵節(げんしょうせつ)といい、新しい年最初の満月の日で、春が来たことをお祝いする日です。
この日をもって中国のお正月は終わりとなります。
◎春節の飾り◎
●花や鉢植え
中国では家の中に花があることは「花開富貴(花が開くように金が満ちあふれ、金持ちになる)」と縁起が良いので、新年には花を飾ります。
よく飾られるものをご紹介します。
・金柑の木
広東話で「金吉」と同じ発音で縁起が良い。
・みかん
実を黄金に例えられるため。
・水仙
よい香りが幸せを運んでくるといわれている。
・ツノナス
実にある五つの突起が、家族五世代が一堂に会した様子に見立てられる。
・万年竹
上に伸びる青い葉が開運を意味する。
・花の枝
「良縁を運ぶ」といわれている。
●縁起の良い言葉を書いた赤い紙や赤い提灯
いたるところに「一家団欒」を象徴する赤い灯籠や、おめでたい言葉を書いた赤い紙を飾ります。
書く言葉には、以下のようなものがあります。
・新年快楽
(あけましておめでとう)
・生意興隆
(商売がうまくいきますように)
・合家平安
(一家が幸せになりますように)
・出入平安
(平穏無事に過ごせますように)
●年画
切り絵を窓に貼ります。
1年間飾ってあるので「年画」と呼ばれています。
なかでも、中国では、大晦日はネズミが結婚するのに良い日とされていて、「ネズミが妻をめとる」年画は庶民の間でよく知られています。
●対聯(ついれん)
赤い春節の対聯(文字を書いた赤い紙)を門の両脇に貼ります。
●「福」の文字を逆さまに貼る
「福」の字を逆さまに貼ることで「幸福がすでに来た」ということを表しています。
これらの飾りが中国の春節を盛り上げます。
◎春節の食べ物◎
日本ではお正月におせち料理を食べる習慣がありますが、中国にも春節に好んで食べられるものがあります。
・餃子
中国で餃子といえば水餃子ですが、昔使われていた貨幣に似ていることから金運がよくなるように。
・魚
魚は中国語で「余」と同じ発音なので余裕のある豊かな生活になるように。
・肉の赤身
紅は「鴻」と同じ発音なので「鴻運当頭(ホンワントンタウ)」という言葉から、幸運が目の前にやってきますように。
・麺
細長い形状から長生きできますように。
・鶏肉
鶏と「吉」の発音が似ていることから、「百事大吉(ひゃくじだいきち)」という言葉から、すべてのことがいいように。
・白菜
「百財」と発音が似ていることから、財を成すように。
◎春節の特徴「中国人大移動」◎
2015年8月の時点で中国の人口は13億を超えています。
その人口が、春節には一斉に帰省しようと移動するのです。
春節前後の帰省とUターンラッシュの約40日間を中国では春運(しゅんうん)と呼びます。
日本の帰省ラッシュ、Uターンラッシュも大変ですが、中国では比べられないほどの人数が動きます。
また、中国メディアによると、2015年春節の時期に日本を訪れた中国人は約45万人。
2016年度もたくさんの中国人が日本を訪れることが予想されます。
◎中国以外に春節のある国◎
台湾、香港、韓国、北朝鮮、ベトナム、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ブルネイ、モンゴルなど。
これらの国でも中国の春節によく似たイベントが行われています。
この時期にご旅行の予定がある方はご注意ください。
横浜中華街イベントを楽しむ
日本の横浜中華街でも春節のお祝いをします。
1986年から始まって2016年で30回目になり、冬の風物詩になっています。
獅子舞や龍舞、皇帝衣装のパレード等が行われます。
◎イベント内容◎
●カウントダウン
日時
2016年2月7日(日)
24:00~
場所
横濵關帝廟・横濱媽祖廟
●採青(ツァイチン)
5頭の獅子が各コースに分かれ、商売繁盛や五穀豊穣を祈って獅子舞を披露します。
日時
2016年2月8日(月)
16:00~20:00
場所
中華街全域
●春節娯楽表演
(しゅんせつごらくひょうえん)
獅子舞・龍舞・舞踊・中国雑技などの中国伝統芸能を披露します。
日時
2016年2月11日(木・祝)、13日(土)、14日(日)・21日(日)
時間
各日とも
①14:30~15:30
②16:00~17:00
③17:30~18:30
場所
中華街内の山下町公園
●祝舞遊行
(しゅくまいゆうこう)
華やかな皇帝衣装隊や、人気者の獅子や龍がパレードします。
日時
2016年2月20日(土)
16:00~
場所
中華街全域 スタート/山下町公園(中華街内)→関帝廟通り→福建路→西門通り→中華街大通り→ 南門シルクロード→山下町公園
●元宵節燈籠祭
(げんしょうせつとうろうさい)
燈籠に書き込まれた願いが天に届くように奉納獅子舞を披露します。
日時
2016年2月22日(月)
17:30~19:00
場所
横濱媽祖廟
詳細はオフィシャルサイトなどでご確認ください。
★横浜中華街オフィシャルサイト
(横浜中華街発展会運営)
2015年の横浜中華街の春節の様子がわかる動画をご紹介します。
カウントダウンの様子です。
「横浜中華街2015 春節カウントダウン!」
華やかな獅子舞と、爆竹の迫力が印象的です。
神戸中華街イベントも楽しもう!
神戸の中華街、南京町でも春節のイベントがあります。
◎2016南京町春節祭◎
日時
2016年2月8日・11日~14日
(2月7日にプレイベント)
詳細はまだ出ていませんでした。
詳しくは南京町商店街振興組合のサイトでご確認ください。
★熱烈歓迎 南京町
(南京町商店街振興組合)
ちなみに、去年の春節祭は次のようなイベントでした。
◎去年の南京町春節祭内容◎
●中国史人游行
京劇の衣装とメイクで街をパレードします。
●南京町広場での催し
雑技や変面や龍との記念撮影など。
●南京南路での販売
おみくじ、占い、ポチ袋くじ、せん紙、花文字実演販売など。
●採青(祝儀とり)
獅子舞が各店舗にご祝儀をもらいに回ります。
●福袋販売
2015年にちなんで2,015円均一の商品や料理などが南京町の各店舗で販売されました。
プレイベントの様子の動画です。
「2015神戸南京町春節祭プレイベント『南龍游行』」
始まりの爆竹と、金色の大きな竜の舞いが華やかです。
その他日本各地イベント
横浜、神戸のほかにも日本で春節をお祝いするイベントがあります。
◎長崎新地中華街ランタンフェスティバル◎
期間
2016年2月8日(月)から
2月22日(月)
時間
会期中17:00~22:00まで点灯
(点灯式の日のみ18:00~22:00)
会場
新地中華街会場、中央公園会場、唐人屋敷会場、興福寺、鍛冶市会場、浜ん町会場、孔子廟会場
もともとは長崎新地中華街の人たちが中国の旧正月(春節)を祝う行事でした。
街中に飾られる約1万5000個のランタンと、各会場のさまざまなオブジェたちが一帯を幻想的に彩ります。
皇帝パレードや獅子舞や変面や雑技団の演技など、様々なイベントも行われます。
こちらの記事では長崎ランタンフェスティバルのイベント詳細を詳しく紹介しています。
夜の長崎を赤いランタンが彩り、その景色を一目みようと多くの観光客が訪れます。
【参考記事】
2016長崎ランタンフェスティバル☆各会場のイベント、見どころ紹介
こちらの記事では長崎名物おすすめグルメの紹介や駐車場情報などを紹介しています。
【参考記事】
2016長崎ランタンフェスティバル☆おすすめグルメと駐車場・混雑情報
中国のお正月である春節。
華やかで盛大な中国のお正月を、一緒にお祝いしてみてはいかがでしょうか?