雛人形の道具の意味。道具が壊れた、無くなった、どうしよう?

1年に1度だけお目見えする『雛人形』。

お内裏様とお雛様はもちろん知っているけど・・・お道具の意味って、意外に知られていないのです。

お雛様の嫁入り道具とも言われているお道具。

ここでは一つずつ道具の意味を解説します。

 

 

また、雛人形は、出したりしまったりするのも、一仕事ですよね。

1年前にきちんとしまっておいたはずなのに、小さな道具の一部が無くなっていたり、お道具の部品が壊れてしまっていて、困ったことはありませんか?

そんな方の為にも、ちょっとしたアドバイスをお伝えいたします。

 

雛人形の道具の意味を知ろう

お道具は雛人形を引き立てる小物でそれぞれに意味があります。一つずつ見ていきましょう。

 

◆ 最上段・・・三宝(さんぽう)

 
三宝

 
三宝には、瓶子(へいし)が載っていて、その瓶子に水引で飾られた熨斗(のし)が差してあり、熨斗には紅白の梅や桃の花がついています。この三方は、お内裏様とお雛様の間に飾ります。初期の雛祭りには、三宝は神事に使用される大型のものだったようです。

その上に載せる瓶子(徳利)には甘くて香りが強く、魔除け(まよけ)の効果があると言われている白酒を入れていたと思われます。

 

◆ 二段目・・・高杯(たかつき)

 
高坏

 
高杯は、縄文、弥生時代からある形で、身分の高い人に献上するための脚台をもつ器で、二段重ねの紅白の丸いお餅や和菓子などを載せます。

 

◆ 四段目・・・御膳(おぜん)と菱台(ひしだい)

 
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御膳は、平椀(向かって右上)、汁椀(右下)、高杯(中央)、壺椀(左上)、飯椀(左下)の5つがのった御膳です。

 

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菱台とは、菱餅を供えるための菱形の台のことで、2個1組になっています。菱餅は、大地の緑・雪の白・桃の花の桃色というように自然の色にたとえた由来、緑(よもぎ)が健康や長寿、白が清浄、ピンク(紅)が魔除けを表しているという由来があります。

 

◆ 五段目・・・橘と桜

 
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桜、橘(たちばな)は、向かって右に桜(左近の桜)、向かって左に橘(右近の橘)を置きます。

なぜ、左右逆の名がついているのか?これは、お雛様から見た場合の左右なので、向かって右が桜となるのです。

 

 

◆ 六段目・七段目

・御駕籠(おかご)・重箱(じゅうばこ)・箪笥(たんす)

・長持(ながもち)・鋏箱(はさみばこ)・火鉢(ひばち)・茶道具(ちゃどうぐ)

・鏡台(きょうだい)・御所車(ごしょぐるま)・針箱(はりばこ)

 

● 御駕籠(おかご)

 
おかご

 
大名や貴族の女性が使用した乗り物で、人が担いで運ぶものです。

 

● 重箱(じゅうばこ)

 
重箱

 
食べ物を入れる箱型の容器のことです。今でも、お正月のお節などで使われていますよね。

 

● 箪笥(たんす)

 
箪笥

 
衣服や服飾用の小道具などを納める収納家具。婚礼箪笥といわれる、結婚時に用意される一式揃いのものがあり、ひな人形のお道具として飾るようになりました。

 

● 長持(ながもち)・鋏箱(はさみばこ)

 
長持・鋏箱

 
長持は、衣服や調度などを納める長方形の大型の箱です。婚礼の際に、この数により家の格が決まると言われていました。鋏箱は、長持と同様に外出の際に必要な衣類・調度・装身具などを納める箱の事で、古来、竹に衣服を挟んで運んでいたので「鋏箱」という名前となったと言われています。

婚礼の道具の一つだったことから、ひな人形のお道具となりました。

 

 

● 火鉢(ひばち)

 
火鉢

 
簡略形は丸、角などですが、正式な火鉢は「台火鉢」と呼ばれ、猫足形の 4本の足のついた四角形をしており、婚礼道具の一つとされていました。

 

● 茶道具(ちゃどうぐ)

 
茶道具

 
茶の湯に使用されるもので、風炉・釜・水指・建水・杓立・蓋置の皆具を載せたものです。

 

● 牛車(ぎっしゃ)・御所車(ごしょぐるま)

 
牛車

 
牛にひかせる乗用の屋形車で、平安時代は貴族の一般的な乗りものでした。男女の区別は特にありませんが、その趣向・風情で身分・家柄もある程度表していたようです。

 

◆ 緋毛氈(ひもうせん)

 
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七段飾りに敷いてある毛氈(もうせん)の色は生命力を意味しており、風 水などでも幸運・金運を呼ぶ色とされています。

また、毛氈の裾の模様は、繧繝(うんげん)模様と呼ばれており、紅・青・紫・緑などから綴られる模様は、雲の切れ間から光が射し込んでいる様子をデザインしたものといわれています。

いずれも縁起の良いものです。

 

◆ 屏風(びょうぶ)

 
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屏風はひな人形を引き立たせるための大切なお道具で、風よけなどの道具として存在し、その後王族の装飾品となってきたようです。

 

◆ 雪洞(ぼんぼり)

 
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お茶室で使われる灯りの一つで、蝋燭立に紙や布で覆いをしたお道具の事ですが、現在は木やプラスチック製のものがほとんどです。灯りをともした時の状態の「ほんのり」という言葉と「ぼんやり」という言葉から生まれたという説などがあります。

 

☆雛人形の飾り方・しまい方☆

 

自分で雛人形を修理したいけど、木工用ボンドを使っても大丈夫なの?

雛人形と言っても素材が全く同じとは限らないので、素材によっては木工用ボンドが使えないものもあります。木工用ボンドで修理をしたあと、シミが浮き出てしまったというお話もよく聞きます。接着剤と言うのは素人が考えるよりもずっと難しい物なのです。

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修理費は、多少費用がかかりますが、思っているほど高くはありません。人形の専門店に問合せ、あらかじめ、お見積りをしていただくこともできます。長く飾りたいと思われる方は、木工用ボンドは出来るだけ使用せず、専門店にお願いしましょう。

 

 

雛人形の道具(小物)が無くなった時はどうすればいいの?

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きちんとしまっておいても、無くなってしまったり、破損して復旧不可能なこともあると思います。

そんな時は、まず初めに、雛人形を購入されたお店に、問合せをしてみてください。大抵のお店が単品での販売にも応じてくれます。

しかし万が一購入店で手に入らない場合はインターネットで簡単に不足品を補充購入することが可能です。

 
毎年お目見えするお雛様は、お子様の健やかなご成長をお祈りして飾られるものと思います。

これからもすくすくと成長され、そのお雛様が大切に子孫へ引き継がれていきますことを望んでいます。

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