春休み、夏休み、冬休み…長期の休暇を利用して、旅行に行く方も多いと思います。
しかし、旅行するにも運賃はできるだけ安く済ませたいもの。そこで、今回は電車での旅行を手助けしてくれる「青春18きっぷ」についてご紹介いたします。
青春18きっぷとは
そもそも「青春18きっぷ」とは、どのようなものなのでしょうか。青春18きっぷとは、JRがある期間に販売する1日フリー乗車券のことをいいます。この券を使えば運賃を気にすることなく、自由に電車を乗り降りすることができます。
では、この「青春18きっぷ」名前の通り18歳までしか購入することができないのでしょうか。たしかに、この切符を利用できるのは春休み・夏休み・冬休みの期間となっています。つまり、主に学生に向けたサービスであることには間違いありません。
しかし、購入・利用ともに年齢制限は設けられていませんので、学生しか利用できないわけではありません。ですから利用する期間にさえ気を付ければ、誰でも利用することが可能なのです。
ただし、青春18きっぷの値段は大人も子供も5枚で11,850円と変わりません。つまり利用方法によっては、子供の場合は少々高くついてしまう恐れがあります。
青春18きっぷの特徴
「青春18きっぷ」は、普通の切符とどのように違うのでしょうか。ここからは「青春18きっぷ」の特徴について見ていきます。
①枚数
枚数は5枚1組となっています。使うのは1枚につき1日。つまり、1人で使う場合は5日間、もしくは5日に分けて使うことができます。
一方、何人かで一緒に使う場合には、切符を持っている人と同じ行程の場合のみ利用することができます。つまり、最寄りの駅から集合場所までは各人で交通費を出さなければならないのですが、集合してから「青春18きっぷ」を持っている人と一緒に行動すれば、複数の人で利用することが可能です。
なので、5人までなら日帰り旅行で一緒に使うことが可能となっています。
②発売期間
発売されるのは年3回となっており、発売期間は春季が2月20日~3月31日、夏季は7月1日~8月31日、冬季は12月1日~12月31日となっています。なお同じ長期休みでも、ゴールデンウィークの期間は発売されないため、注意が必要です。
③有効期限
有効期限は、春季が3月1日~4月10日、夏季は7月20日~9月10日、冬季は12月10日~1月10日となっています。つまり、春休み・夏休み・冬休みに近い期間が設定されています。春に買った切符を夏に持ち越すといったことはできません。
春に買ったら春のうちに使いきらなければなりません。
④乗ることができる電車の種類
青春18きっぷで乗ることのできる路線は、全国のJR線の普通・快速列車の普通車自由席、BRT(バス高速輸送システム)、JR西日本宮島フェリーです。なお、これらの区間内なら乗り降りは自由にできます。
ただし、この切符を使うには「人がいる改札口を通らなければならない」という決まりがあるため、無人駅では利用できないことになります。また、普通・快速列車のグリーン車自由席を利用する場合は、グリーン券のみを用意すれば乗ることができます。
しかし、特急や新幹線・急行列車に乗る場合は、青春18きっぷの他に乗車券・特急券・急行券・グリーン券などが必要となります。
また、JR線に直接つながっている路線は一部、利用や乗り降りができません。どうしても利用したい場合は、別途料金を支払う必要があります。
具体的には、IGRいわて銀河鉄道線、北越急行線、伊勢鉄道線、北近畿タンゴ鉄道線、智頭急行線、土佐くろしお鉄道線、しなの鉄道、えちごトキめき鉄道などです。ただし、利用できない路線でも一部例外があります。
例えば、青い森鉄道線の場合は青森~八戸間を下車せず通過のみした場合には、この区間の運賃は支払わなくても大丈夫です。また、あいの風とやま鉄道は富山~高岡間を通過する場合、IRいしかわ鉄道は金沢~津幡館を通過する場合、その区間の運賃は支払わなくても大丈夫です。
他にも利用できない路線があるため、どの部分を通るのか、どの駅で降りることができるのか、事前にしっかりと調べておく必要があります。
⑤払い戻し
買ったはいいけどどうしても利用できない、そういった場合には払い戻すことが可能です。ただし、払い戻しを行う際には、以下3点の注意事項があります。
1)払い戻しのできるものは、未使用のものに限ります。
2)払い戻しができるのは、利用期間の間のみです。
利用期間を過ぎてしまったら、払い戻しはできなくなってしまいます。
3)払い戻しには手数料がかかります。
手数料は約200円です。
おすすめポイント
続いて、青春18きっぷがなぜおすすめなのか、ポイントを挙げて説明します。
①特急の料金と比べて…
青春18きっぷの値段は、5枚セットで11,850円です。では、例えば東京から新大阪まで、新幹線で行った場合と青春18きっぷで行った場合、どちらがお得なのでしょうか。
まず新幹線ですが、乗車料金として8,750円かかります。さらに特急料金として、自由席だと4,870円かかります。つまり、合計13,620円かかる計算になります。そして、時間はというと、約2時間30分ほどで到着します。
次に、青春18きっぷを使う場合です。
普通列車のみで向かう場合、東海道本線を途中の駅で乗り換えながら向かうことになります。料金としては、通常は普通列車のみを利用した場合でも、8,750円かかります。しかし、青春18きっぷを利用した場合、11,850÷5=2,370円で乗ることができるのです。
ただし、東京から新大阪に向かうまで約9時間かかります。まっすぐ向かう場合は良いのですが、熱海や静岡などで途中下車し、宿泊した場合は2日分4,740円かかりますので、注意が必要です。
けれども、青春18きっぷを使って旅行すると、新幹線と比べて1日の場合だと11,250円、2日の場合だと8,880円のお得となります。このように、青春18きっぷは安く電車に乗れることができるというメリットがある反面、時間がかかってしまうというデメリットがあります。
しかし、逆に旅を楽しむ、途中の駅に立ち寄りながら旅をする、という点では青春18きっぷがおすすめです。これから紹介する動画では、大阪から東京まで、親子で青春18きっぷを使って実際に向かう様子です。この動画の場合は最短で行くことを目指しているのでのんびり…というよりは、乗り換えにダッシュするイメージがとても強いです。
しかし、前もって時刻表でダイヤを調べ、いかに待ち時間なくスムーズに乗り継ぎできるかも、電車の旅の醍醐味といえるでしょう。そんな、体験動画はこちらです。
「青春18きっぷ①★大阪=東京★親子旅 最短乗り換え」
②途中下車が自由にできる
青春18きっぷの最大の魅力、それは1日の間なら区間内の駅を自由に乗り降りすることができる点です。もちろん通常の切符でも途中下車はできますが、一度改札を出て新たに電車に乗ろうとすると、再度切符を買う必要があります。よって、途中下車することで最初に買った切符が無駄になってしまいます。
しかし青春18きっぷの場合、JR区間内の駅で一度降り、再び乗る際、そのまま青春18きっぷを利用することができます。つまり、運賃を気にすることなく、自由に途中下車することができるのです。そのため、電車を途中下車しながら、旅行を楽しむことが可能です。
③特典を受けられる
JRホテルグループのホテルに宿泊する際、チェックイン時に「青春18きっぷ」を提示すると、宿泊料金の割引など、様々な特典を受けることができます。ただし、特典を受けるには前もって連絡をし、ホテルの予約を取る必要があります。
では、さっそく「青春18きっぷ」を使って旅に出てみましょう。
<東京から>
<大阪から>
<仙台から>
<福岡から>
各地から出発した場合のおすすめの旅行プランをまとめて知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。こちらの記事では、旅におすすめのグッズもご紹介しています。
【参考記事】
青春18きっぷの旅まとめ☆上手な使い方とオススメ
青春18きっぷは、利用できる区間がJRの鉄道のみ、しかも普通電車しか基本的に利用できないというデメリットはあります。しかし、乗り降りが自由でありホテルのサービスを受けることも可能なため、「旅を楽しむ」為に利用するなら、ぜひおすすめしたいきっぷです。
さぁ、青春18きっぷ片手に、旅に出てみませんか?