最近ではサイクリングをしない方でも、通勤通学で利用するようになったクロスバイク。せっかく高価でオシャレなクロスバイクを手に入れたのだから、長くきれいに愛用したいですよね。
それには、日々のメンテナンスが必要不可欠です。
「とにかくタイヤの空気を気にしていれば良いのでは?」
「調子が悪くなったらお店に持って行って見てもらうからいいや」
これではせっかくの愛車がかわいそうです。
機械が苦手な方も基本的なことを覚えておけば、愛車への愛着がさらに湧いてきますし、後々オリジナルのカスタマイズをする時にその知識が役立ちます。こちらでは、基本的なメンテナンス方法をご紹介します。ぜひ覚えて愛車を自分の手できれいに維持していってください。
メンテナンスをする理由といつするかが知りたい

普通のシティサイクルしか使っていなかった方は、タイヤの空気入れと簡単に汚れを落とす程度のメンテナンスくらいしかしたことがないということが多いです。なので「どうしてそんなにメンテナンスが重要なの?」と疑問に思うことでしょう。
しかし「自転車」は運転免許こそ必要ありませんが「軽車両=車と同じルールが適応される」のです。2015年6月からは道路交通法が改正され、今までより違反に対する罰則が厳しくなりました。
原因は近年自転車事故が多発しているからです。普通のシティサイクルでも死亡事故が発生しているのですから、それよりも軽くてスピードの出やすいクロスバイクはさらに危険です。
整備不良で事故を起こしてしまっては自分がケガをするだけでなく、他人をケガさせる危険があります。事故を防止するためにも、愛車を少しでも長持ちさせるためにもメンテナンスを必ず行いましょう。
では、実際どのくらいの頻度でメンテナンスをすれば良いのかご紹介します。購入直後から必要になるのは「空気入れ」「フレーム拭き」の2つです。
●空気入れ
使用頻度によりますが、1週間~4週間に1度は空気を入れましょう。(使用頻度以外にクロスバイクの種類によっても目安があります)特にペダルが重くなる一番の原因はタイヤの空気が少なくなっていることです。空気不足は、パンクの原因にもなります。気になったら、すぐにタイヤをチェックしてみてください。
●フレーム拭き
きれいなクロスバイクで走りたいのはもちろん、フレームに付いた汚れが後にチェーンの汚れにもつながります。こちらも1週間に1度、軽く汚れを落とすと良いでしょう。また、自動車同様ワックスを使うと汚れが付きにくくなります。
そして、ある程度走行したら必要になるのが「ブレーキ」「チェーンの洗浄と注油」など、全体のメンテナンスです。
●ブレーキ
上級者になればスクーターと同じくらいのスピードが出るクロスバイクのブレーキは、まさに命綱です。少しでも効きが悪くなれば、危険度が一気に上がります。
こちらも使用頻度や環境にもよりますが、ゴムが劣化していたり、5mm程度減っていたらパーツ交換が必要です。日々のメンテナンス時に、こまめにチェックしましょう。
●チェーンの洗浄と注油
自動車のエンジンオイルと同じです。油切れになったり、汚れがたまったりすると走りが悪くなり、事故の原因につながります。こちらも使用環境などで変わりますが、およそ200~300kmくらい走行したら行ってください。
こちらでは、クロスバイクの種類別に走行できる距離などを詳しく紹介しています。合わせて参考にしてみてください。
他にも、シフト・ブレーキのケーブル、シューズのクリート、リムテープなどの消耗品のメンテナンスが必要になります。初心者がいきなり全部を行うのは難しいので、まずは上で紹介した4つから始めてみてはどうでしょうか?
メンテナンススタンドを使って、メンテナンスしてみましょう。
さっそくメンテナンスをしてみようと考えている方が一番最初に必要になるのが「メンテナンススタンド」です。シティサイクルではほとんど使用しないこの道具ですが、使い方はとても簡単です。後輪の軸にスタンドの端を挟んで立てる。これだけです。
こちらでは、実際の取り付け方を動画で紹介しています。30秒で誰でもできてしまうほど簡単ですよ。
【YouTube】ディスプレイスタンドの取り付け方法
無事にクロスバイクを固定出来たら、いよいよメンテナンス開始です。
●空気入れ
専用の空気入れ(気圧計付き)で、タイヤに書かれている空気圧の数値の間で入れる必要があります。
●フレーム拭き
ホームセンターなどで売られている自転車用のお掃除クロスで拭くだけです。クロスにはワックス効果が付いているものがありますので、そちらがオススメです。
●ブレーキ
正確には「ブレーキシュー」と言います。タイヤを挟んで回転を止めるゴムのことです。こちらは、六角レンチ1つで取り換えが可能です。
交換方法は以下の通りです。
②新しいブレーキシューに交換して固定ベルトを締める。
方法はとても簡単ですが、固定する位置や角度によってブレーキの効き方が変わってきますので注意が必要です。心配な方は交換前の画像を撮っておき、それを見ながら交換すると良いでしょう。また、正しい位置と角度に固定できるグッズも販売されていますが、こちらは予算と相談することになります。
●チェーンの洗浄と注油
必要な道具は7つです。
②雑巾(数枚)
③チェーンクリーナー(小型の桶のようなものです)
④チェーン専用の洗剤
⑤ブラシ
⑥チェーンオイル
⑦ぬるま湯
※③~⑤はセットで売られているものもあります。
【商品紹介:PARKTOOL(パークツール) チェーンギャング CG-2.2】
こちらも、ポイントさえ押さえれば特に難しいことはありません。
②チェーンクリーナーに洗剤を入れて、前輪と後輪の間に出ているチェーン(下側)に挟む。
③クランク(ペダル)を逆回転させてチェーン全体をチェーンクリーナー内の洗剤に浸していく。(取れにくい汚れはブラシを使って落とす)
④チェーンクリーナーの中身を洗剤からぬるま湯に交換して②③の手順でチェーンの洗剤をすすぐ。
⑤チェーンに付いている水分を雑巾で拭きとる。
⑥チェーンクリーナーを取り付けていた辺りのチェーン下側に雑巾を添えて上からオイルを吹きかける。
※チェーンを少しずつずらしていき、全体にオイルを吹きかけていく。
これで完了です。また、使った後のチェーンクリーナーやブラシは黒くなったオイル汚れなどが付いています。後片付けの際にしっかり落としておかないと、次回のメンテナンスで使い物にならなくなってしまいますのでご注意ください。
その他、メンテナンスの際にあると便利なグッズや、付属品についてはこちらで詳しく紹介しています。
天敵・サビにご注意!
クロスバイクの一番の天敵は何と言っても「サビ」です。サビは走行に支障が出たり破損の原因になるだけでなく、消耗パーツの交換ができなくなり、本体ごと買い替えなくてはいけない事態にもなります。まずはサビつかないように予防することが大切です。
●サビの予防と対策
サビの一番の原因は雨や海水などの水です。そのためにも保管場所や使用後のケアが大切になります。
・屋外に置く場合は、カバーをかけて濡れないようにする。
・雨に濡れてしまった場合は、必ず水分を拭き取る。
・潮風にあたった場合は、一度水で塩分を洗い流してから乾いた布で水を拭き取る。
●サビの落とし方
気を付けていたけどサビついてしまった!こんな場合も、軽度のサビなら自分で落とすことが出来ます。準備するのは5つです。
・いらないTシャツなどの古布
・ステンレス製のブラシ
・軍手
・サビ落としクリーム(研磨剤入り)
落とし方の手順は以下の通りです。
②スチールブラシでこすって、サビを軽く落とす。(ブレーキのワイヤーは②を行わない)
③サビ落としクリームを古布に付けて磨く。(チェーンは③を行わない)
④仕上げにオイルを塗る。
サビの程度によってはきれいに落としきれないことがあります。全て落とそうとして強くこすりすぎると、摩耗の原因になります。また、サビていない箇所を傷つけてしまうと、新たなサビの原因になりますのでご注意ください。
初心者でも安心♪ クロスバイクの選び方
一言でクロスバイクと言っても、値段や種類は様々です。こちらでは「そもそもクロスバイクってどんなもの?どんな種類があるの?」という方でも、その特徴や選び方のポイントが分かるように、詳しく紹介しています。
クロスバイクの魅力を知れば、通勤通学用にと購入した方も、思わずサイクリングに出かけたくなりますよ。そうなれば、いよいよメンテナンスが重要になってきます。
初心者でも簡単な手順で愛車を長持ちさせることが出来ます。お店で頼むより愛着も湧きますし、何よりコスト削減につながります。ぜひ自分の手でメンテナンスをしてあげましょう!