胃薬やふくらし粉、さらには掃除まで…多くのことに利用できる魔法の粉、重曹。そんな重曹、実は歯磨き粉にも変身してしまいます。
虫歯予防はもちろんですが、他にもいろいろな効果があってびっくりです。これは使わなきゃ損!!そこで今回は重曹での歯磨き粉の作り方と磨き方、またメリットや注意点について紹介します。
重曹で歯磨きをする方法
(1)歯磨き粉のつくり方
今回は重曹のみで作った歯磨き粉と、植物性グリセリンと重曹を混ぜたものの2種類を紹介します。
①重曹のみ
【材料】
重曹(薬用か食用)
水
重曹にはきめの細かい順から薬用・食用・工業用の3種類がありますが、歯磨き粉として使用する場合は必ずきめの細かい薬用か食用を使用するようにしましょう。
【商品紹介:【第3類医薬品】日本薬局方 炭酸水素ナトリウム500g】
【作り方】
重曹大さじ1杯に水を数滴たらし、市販の歯磨き粉くらいの粘り気が出るまでよくかき混ぜます。
②重曹+植物性グリセリン
【材料】
重曹(薬用か食用)
植物性グリセリン(食用)
ミントなどのエッセンス
こちらも重曹は必ず薬用か食用を使用するようにしましょう。植物性グリセリンは保湿剤として広く活用されており、軟膏や基礎化粧品などに使われているものです。こちらもヤシ油など、食用のものを必ず使用するようにしましょう。
【作り方】
重曹と植物性グリセリンを2:1の割合でよく混ぜ合わせます。この時ミントなどのエッセンスを加えると、市販の歯磨き粉のような味になります。重曹と植物性グリセリンを混ぜて作る方法について、詳しくはこちらの動画をご覧ください。
【doTERRAで簡単重曹歯磨き粉】
なお、こちらの動画ではレモンとペパーミントのドテラ精油を使用しています。気分に合わせて色々な精油を混ぜられるのもこの歯磨き粉の特徴です。
【商品紹介:ドテラ オレンジ15ml エッセンシャルオイル】
柑橘系の香りの歯磨き粉も、手作りなら簡単に作れます。
(2)磨き方
歯磨き粉を作ったら、早速歯を磨いてみましょう。
②力を入れず、軽く触れるぐらいに優しく磨きます。歯ブラシはなるべく柔らかい毛のものを使用します。
③歯磨き粉が残らないよう、丁寧にゆすぎます。
重曹で歯磨きをするメリット
(1)体に安全
市販の歯磨き粉の中には界面活性剤など、体にあまりいいとは言えない成分が含まれている場合があります。一方、重曹の場合は基本的に人体に無害です。また、重曹歯磨き粉を作る場合、余計な成分はほとんど入っていません。
そのため、安全に使用することができます。
(2)虫歯予防
虫歯は、口の中にいる虫歯菌が発生させる酸によって歯が溶けてしまうことが原因です。一方、重曹はpHが8程度の弱アルカリ性です。アルカリ性は酸性と反応すると中和する効果があります。そして虫歯菌が酸によって歯を溶かす作用を防ぐことができます。
(3)初期虫歯の再生化
すべての人の口の中には虫歯菌が住んでおり、人が食事をすると虫歯菌がたんぱく質などを食べて酸を出します。しかし、誰もが虫歯になるわけではありません。それは、虫歯菌が酸で歯を溶かした後、唾液の力によって歯にカルシウムを補充、再石灰化を行うためです。
重曹で歯磨きをすると虫歯菌の発生させる酸を弱める効果があります。するとより再石灰化が促進され、初期の虫歯なら元の状態に戻すことも可能になります。
(4)口臭予防
口の中に住む虫歯菌は食べかすなどを分解する際、硫化水素などの揮発性硫黄化合物を発生させ、口臭の原因となります。揮発性硫黄化合物は酸性のため、弱アルカリ性の重曹によって中和され、消臭につながります。
(5)ホワイトニング効果
重曹には研磨作用があります。歯のエナメル質についたヤニ・茶渋などのステインを分解し、歯を白くする効果があります。
(6)歯茎や舌の汚れが取れる
重曹には研磨作用があるため、歯茎や舌についた汚れも落とすことができます。
(7)低コスト
有害成分の入っていない歯磨き粉も発売されていますが、どうしても高価になりがちです。一方、重曹は比較的安価なため、低コストで安全な歯磨きをすることができます。
重曹で歯磨きをするデメリット・注意点
(1)研磨作用
市販の歯磨き粉にも少量の研磨剤は入っています。一方、重曹は掃除などにも利用されるほど強い研磨作用を持っています。そのため、強く磨いてしまうと歯のエナメル質が傷つく原因となります。
歯のエナメル質が傷つくと次のようなことが起こります。
①知覚過敏
エナメル質が傷つくと、刺激が直接神経に伝わりやすくなります。そのため、冷たいものが歯にしみるようになります。
②歯が黄ばんで見える
エナメル質がはがれると、象牙質という部分がむき出しになります。この部分がむき出しになると歯が黄ばんで見えるようになります。エナメル質は一度傷ついてしまうと、完全に元に戻すことは難しいです。
そのため、重曹で歯磨きをする際は歯ブラシの種類や力加減に気をつける必要があります。
(2)歯石がつきやすくなる
歯の再石灰化を行う際、歯石が発生します。重曹によって口の中が中性に近づくと歯の再石灰化が促進され、より多くの歯石が発生するようになります。そのためこまめに歯を磨き、歯石を落としていく必要があります。
(3)塩分の過剰摂取
重曹の正式名称は炭酸水素ナトリウム。ナトリウムは塩の一種で、重曹をなめると少ししょっぱい感じがします。市販の歯磨き粉にも塩分は少量含まれている為、日常で使う分には問題ありません。ただし腎臓病などで塩分摂取が制限されている方や、小さなお子様に対しては毎日は使わず、週に1~2回、少量をつけて磨く程度がいいでしょう。
このように、重曹歯磨きは高い消臭・歯磨き効果がある一方で歯にダメージを与える恐れもあります。そのため、重曹歯磨きは毎日は行わず、普段は水100ccに小さじ半分程度の重曹を溶かしてうがいをするのがおすすめです。
重曹歯磨きでホワイトニングの効果はある?
(1)重曹でのホワイトニング効果
重曹での歯磨きでは、ホワイトニング効果も期待できます。これはエナメル質の汚れた部分をはがし、歯の再石灰化を促すことで新しく白いエナメル質を生み出すためです。また、重曹歯磨き粉に潰したイチゴを混ぜて歯磨きをすると、イチゴに含まれるリンゴ酸の効果により汚れがしっかりと落ちるようになります。
(2)注意点
重曹には高い研磨力があります。そのため、強い力で磨くと歯のエナメル質がはがれてしまいます。歯のエナメル質は一度はがれてしまうと回復しません。そして、歯のエナメル質がはがれてしまうともうホワイトニングもできなくなってしまいます。そのため重曹でホワイトニングを行う際は、なるべく柔らかいブラシで磨くようにし、週に1回程度行うようにしましょう。
いかがだったでしょうか。重曹での歯磨きは高い効果が得られる一方、間違った磨き方をすると歯に重大なダメージを与える恐れもあります。そのため優しい力で歯を磨き、健康的な口内環境をつくっていきましょう。