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神道と仏教の違いを解説!葬式やお墓、死生観など詳しく説明

こんにちは。ライターのReilaiです。

私たちの生活の中にはお正月の初詣に始まり、節分・雛まつり・お彼岸・端午の節句・七夕・クリスマスなど様々な宗教的行事があふれています。

お子さんがいるご家庭では、お宮参りや七五三参りなどもおこなったことがあるのではないでしょうか。

一方で家には仏壇があり、仏壇参りを欠かさないという方も多いことでしょう。

これらの行事の多くは元々中国から伝わってきた習わしであったりしますが、行事によって神社に行ったりお寺に行ったりしながら、私たちは日本の二大宗教である「神道」と「仏教」が混在している生活をしていることになります。

私自身も子供の頃からごく当たり前に色んな年間行事に参加してきましたが、改めて「神道」と「仏教」について説明できるか?と言われても、きちんと答えられません。

そもそも神道と仏教の違いは何なのでしょうか。

私の場合、普段の生活の中で宗教を感じる出来事といえばお葬式や法事です。

どちらも仏式の経験しかないので、神式ではどのように執り行われるのか全くわかりません。

そういえば、お寺にお墓はあるのに神社でお墓は見たことがありませんが、神道のお墓はどこに建ててあるのでしょうか。

考え出すと色々疑問が湧いてきました。

そして、生まれた時から色んな年中行事に参加してきましたが、その本質である神道についてはほとんど知らないことにも気づきました。

今回はそんな疑問を解決できるように、これから参列する機会があるかもしれないお葬式やお墓、死生観の違いを通して、神道と仏教の違いをくわしく紹介します。
 


 

神道と仏教、お葬式は何がどう違う?

神道式と仏教式の葬式の違いはいくつかあります。

「場所」

仏教式では葬式をお寺で行うこともありますが、神道式は神社では葬式を行ったりはしません。神道式では斎場や自宅で葬式が行われるのが一般的です。

「お経」と「祝詞(のりと)」

仏教式では僧侶によりお経が読まれますが、神道式では神職による「祝詞」が唱えられます。お経と祝詞ではその意味合いも異なります。お経は故人の冥福を祈るためのものですが、祝詞は故人とその子孫の繁栄を祈るためのものです。

「お焼香」と「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」

仏教式ではお焼香をします。しかし神道式ではお焼香はありません。そのかわりに「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」というものがおこなわれます。榊の枝に木綿(ゆう)と呼ばれるものや紙垂(しで)をつけた玉串を供えます。

この「玉串奉奠」という所作は初めてだと混乱してしまいがちですが、こちらの動画ではわかりやすく説明されていますので一度確認しておくとよいでしょう。
 

【玉串の作法】
 

 

「戒名」

仏教では死後戒名をつけますが、神道では戒名は存在しません。代わりに「諡(おくりな)」というものが付けられます。この「諡」については、こちらの記事で詳しく説明されていますのでご覧ください。
 

 

神道と仏教のお葬式はそれぞれ信仰している対象が「神」と「仏」と異なります。そのため祝詞とお経、葬式での所作である玉串奉奠とお線香といった違いがあるのです。この4つの違いは神道の葬式に参列する際に役立ちますので、是非覚えておくとよいでしょう。
 


 

神道と仏教のお墓の違い「お墓の事、お参りの仕方、お墓の場所」

葬式にも違いがありましたが、お墓に関しても神道と仏教で違いがあります。

お墓の違い

神道と仏教ではお墓の形が異なります。仏教のお墓は私たちがよく目にする直方体の形をしていますが、神道のお墓は「角兜巾(かくときん)」という形をしています。お墓の上部の角が斜めに切られておりピラミッドのような三角錐になっているのが特徴です。

墓石に刻まれている文字についても違いがあります。仏教の墓石には「~家代々之墓」や「~家之墓」と刻まれています。しかし神道の墓石には「~家奥津城」や「~家奥郡城」と刻まれます。墓石に刻まれている文字によって仏教か神道かを判断することもできるのです。

違いがわかるのは墓石の正面だけではなく、側面にも違いがあります。仏教の墓石の側面には「戒名」が刻まれます。死後、仏の弟子になったことを表す名前が戒名です。神道では仏の弟子になるという考えではないので、戒名はありません。

しかし、似た意味を持つ「諡(おくりな)」というものがつけられます。神道の墓石の側面には諡が刻まれており、一般的にお墓を表す「奥津城」と「諡」は必ずセットでつけられています。

お墓参りの方法

仏教ではお墓参りの際に花を供えますが、神道では花ではなく榊を供えます。まれに榊以外に花も供えることがありますが、供えてもよいのは白い菊の花または故人が好きだった花とされています。仏教と神道のお墓参りで大きく異なるのが線香です。

仏教のお墓参りでは線香を供えますが、神道では線香は供えたりしません。そのかわりに玉串である榊を供えるのです。この玉串を供えることは故人に対して真心を示す意味合いがあるのです。

お供え物は仏教では果物やお菓子などを供えますが、神道では「神饌(しんせん)」と呼ばれるものをお供えします。神饌とは「水、洗米や塩、お神酒」のことで、ほかの神事でお供えするものと同じです。神道のお供えについては、詳しく紹介した記事がありますので参考になさってください。
 

 

また、お参りの作法についても異なることがあります。神道のお参りの際は「二礼二拍手一礼」を行います。これは神社などでお参りするものと同じです。この「二礼二拍手一礼」の前と後には「一揖(いちゆう)」という浅いお辞儀をします。

墓前で手を叩くのは少々気が引ける感じがしますが、これが正しいお参りの作法になります。ただし、五十日祭(仏教でいうところの四十九日)までは音を立てない「しのび手」にします。

お墓の場所

仏式では、お墓はお寺の敷地内に建てることがほとんどです。それに対して神道では、神社の境内にお墓は建てたりしません。神道のお墓は公営や民営の霊園に建てるのが一般的です。何故神道のお墓は神社にないのでしょうか。

神道では「死」は「穢れ」という考えがあるため、穢れを神域である神社へ持ち込まないようにしているからなのです。
 

神道と仏教の死生観

そもそも神道と仏教はどのような宗教なのでしょうか。

〇神道
・日本古来からある民族宗教である。
・森羅万象を神格化し信仰する「多神教」である。
・教典はない。
・聖職者は神職・神主である。
・宗教施設は神社である。

 

〇仏教
・世界三大宗教のひとつでお釈迦様が開祖である。
・仏様やお釈迦様など仏として崇められた人を信仰する。
・経典と呼ばれるものがある。(お釈迦様が説いた教えを記したもの)
・聖職者は僧である。
・宗教施設はお寺である。

 
大まかにまとめてみましたが信仰するものなど違いが多く見受けられました。では死生観についてはどのように違うのでしょうか。

神道の死生観

神道では、死は「穢れ」と考えられています。神道のお墓が神社にないのはこの考え方があるからなのです。しかしその一方で亡くなった人は死後、家族や親族を見守る神となり、先祖の神たちの仲間入りをするという考え方があります。

神道に関する和歌である「死道百首」に、「日の本に生まれ出にし益人(ますびと)は神より出でて神に入るなり」という歌があります。これは先祖つまりは神から出てきたものは、一生を終えれば再び神のもとへ帰っていくという意味になります。

神道の死生観とは、自分の親族や家族、郷土や国にとどまり子々孫々見守っていくという考え方なのです。

仏教の死生観

仏教では「輪廻転生(りんねてんせい)」という考え方があります。これはすべての生きとし生けるものは生と死を繰り返し、死んでも生まれ変わるという考え方です。仏教ではこの何度も生まれ変わり生き続けるということは「苦」と捉えますので、この輪廻転生の輪から抜け出すことつまり「解脱(げだつ)」を最高の願いとしています。

解脱するためには善い行いをすることで近づくことができるとされています。逆に悪い行いをしていると餓鬼界や畜生界など恐ろしい世界へ生まれ変わることになるとも言われています。2つの宗教を見てみると神道では死後先祖の神たちの仲間入りをするのに対し、仏教では死後輪廻転生をし再び生まれ変わるという考えでした。

このように信仰する宗教により死生観は大きく異なるようです。
 

それ以外の神道と仏教の違い

葬式やお墓、お参りの方法の違い以外に宗教施設の違いについても紹介します。仏教はお寺で神道は神社であることは多くの方が知っているかと思います。しかし、そのお寺や神社にどのような意味合いがあるのかまでご存知の方は少ないのではないでしょうか。

まずお寺について詳しく見てみましょう。お寺はお釈迦様の教えを信じ、悟りを目指す人が暮らす場とされています。一般の人にその教えを説く場所としても存在しています。

お寺は「僧房」と呼ばれる僧たちが生活する場所と、「伽藍(がらん)」と呼ばれる仏像や礼拝対象を祀るための場所があります。もともとは修行僧たちが仏教の修行を行うための場所だったようです。しかし開祖であるお釈迦様の神格化が進むにあたり、仏像や仏塔が増えていき今のようになったとされているのです。

つぎに神社についてです。神社は神様が祀られている場所とされています。もともと神社はただ祈りを捧げる場所でしかなかったようです。しかし「神様が降り立つ臨時の依り代」という考えが出てきたことにより、その依り代のある場所に社が建てられ今のような形になったのだとされています。

神道は森羅万象の神々を信仰しているため山や海、石や木など自然のものに神が宿ると考えられていました。神が宿るとされるものがある場所こそが祈りを捧げる場所となっているのです。そして、神社には必ず鳥居が存在します。

この鳥居は神様が住む世界と我々人間が住む世界を区別する境界線の意味があります。日本には多くの寺社仏閣がありますが、神社の方がお寺の数よりも多くなっています。これは神道が信仰する神が八百万(やおよろず)であるからだとも言われています。

信仰対象となる神様ごとに神社を建てているので数も多くなっているのです。
 


 

まとめ

神道の葬式はあまり多く執り行われないので今まで気にしていませんでしたが、執り行われる場所や、お経ではなく祝詞を唱えたりするという違いがありました。また焼香は神道にはなく、代わりに玉串奉奠と呼ばれる所作があります。

お墓の形も角兜巾という形をしておりその違いは仏式の一般的なものとは一目瞭然です。そして墓参りの際の大きな違いとしては線香ではなく榊を供えます。このように仏式との違いを知っていれば、神式のお墓参りや葬式があっても間違えずにすみそうです。

死生観についても仏教は輪廻転生からの解脱、神道では死後は先祖神として子々孫々見守るという違いがありました。今までは神道と仏教についてはその存在を大まかにしか知りませんでしたが、似ているようで大きな違いがあることが分かりました。

これで神道と仏教について区別することができ、違いを聞かれてもしっかり説明できそうです。

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