みなさまこんにちは!ライターのかなです。
葬儀や法事に参列するときはマナーが気になるものですが、あまり参列したことがない宗派の場合はさらにマナーが気になりますよね。
実は先日、両親が知人の法事に参列したのですが、故人が信仰していた宗教が神道だったようで、慣れないマナーや作法に苦労したそうです。
私の場合、仏教の法事でもマナーや作法に間違いがないかどうか気になるのに、全く知らない宗教だとどうなってしまうのかと想像してみて、背中に汗をかきました。
ですが、調べてみると日本人の信仰の割合はなんと、神道が約48%・仏教が約46%・その他の宗教が約6%となっているそうです。
これまでは、たまたま仏教の法事に出る機会が多かっただけで今後は神道の法事に参列する機会もあるかもしれません。
もし突然の連絡を受けて、神道の法事に参列することになったらどうなるのでしょうか。
神道の香典袋の表書きに書くことは?水引はどれを選べばいいの?不安の種は尽きません。
そこで今回は、神道の法事に招かれたときに知っておきたい香典袋の書き方や水引、金額の相場などについてお伝えします!
目次
香典の表書きと中袋の書き方
神道の香典の表書きは「御玉串料(おんたまぐしりょう)」と書くのが一般的です。
このほかにも「御榊料(おんさかきりょう)」・「御神饌料(おんしんせんりょう)」と書いても問題はありませんし、「御霊前(ごれいぜん)」と書いても大丈夫です。
「御霊前」はどの宗教でも共通して使用できるので、どのように書いたら良いか迷う場合は「御霊前」と書くと間違いはないですね!
表書きを書く時は薄墨の筆、もしくは筆ペンで書くようにしましょう。
表書きの書き方
・香典袋の水引の上の水引の中に「御玉串料」と書く
・水引の下の部分に、少し小さめの字でフルネームを書く
中袋の書き方
・中袋の表に「金○○円」と、香典の金額を書く
金額の書き方
数字 | 漢字 |
1 | 壱 |
2 | 弐 |
3 | 参 |
5 | 伍 |
7 | 七(漆) |
8 | 八 |
10 | 拾 |
金額の記入欄が縦書きの場合には、数字は漢字を用いて記入するようにし、金額の記入欄が横書きの場合は「金10,000円也」というように数字を記入します。
香典袋によっては、裏面に香典の額を記入する欄があるものもありますので、その場合は裏面に金額を記入しても問題はありません。
裏面には自分の住所と名前も記入しましょう。こちらの動画では、香典袋の中袋の書き方と包み方について紹介しています。実際に目で見ることで失敗なく香典の準備ができますよ。
【香典袋 −中包みの書き方と包み方−【小さなお葬式 公式】】
連名で記入する場合
連名で香典を出す場合は、3人までであれば香典袋の表面に全員の名前を書くことが出来ます。
また、参列できない人と連名で香典を出す場合、人数が多い場合は代表者の名前を書き、他の全員の人数を記入しましょう。
中袋には香典の金額の総額を書き、裏面には代表者の住所を記入します。
香典袋と水引は何を選べばいい?
一般的にご不幸があった時に用意する封筒のことを「香典袋」と言ったりしますが、「香典」とは仏教の御霊前に供えるお香やその代わりになるお金、を意味しています。
神道ではお香は使いませんので、「不祝儀袋」と呼ぶのが正解です。
神道の場合は不祝儀袋に「御仏前」と書かれているものは使用することは出来ません。
神道の場合、亡くなった人は仏様ではなく「神様」になりますので「御仏前」と書くのはNGになります。不祝儀袋には蓮の花の絵が描かれているものもありますが、これは仏教用のため神道の不祝儀袋には使用しません。
何も絵柄がかかれていない不祝儀袋を選んで使用しましょう。
水引は「結び切り」を使用します。
黒白のもの5本もしくは7本、双銀7本もしくは10本、双白のもの5本もしくは7本の水引の物を選んでください。
中に包む金額によって水引を使い分けるようになります。
水引が印刷されているものを選ぶときは、紫銀5本もしくは7本の結び切りが印刷されているものを選びましょう。また、西日本の地域では黄白の5本もしくは7本の結び切りの水引を使用する地域もあります。その地域に合った水引を選んで使用してください。
<包む金額と不祝儀袋の種類>
包む金額 | 不祝儀袋の種類 |
5千円以下 | 水引が印刷されたもの |
1万円~2万円 | 白黒、双銀で水引が7本~10本のもの |
3万円~5万円 | 双銀の水引10本以上のもの |
10万円以上 | 大判で高級な和紙が使用されたひだ折りがあるもの |
香典の金額はいくらぐらい?渡し方のマナーはあるの?
香典の金額について
香典を包む場合、「神道の香典の金額はこのくらい包む」という決まりは特にありません。
仏教と同じように亡くなった人との関係や、香典を包む人の年齢・立場によって金額を変えるようになります。
神式の法事に出席する場合に気をつけたいのが、会食の参加・不参加で包む金額が変わるということです。
法事だけでなく会食にも出席する場合は供物や現金を包んでいくのが出席する側のマナーになります。
香典の目安は5千円~1万円ですので、それに食事代をプラスして多めの金額を包んで持参しましょう。食事代としてプラスする金額は5千円~1万円のことが多いです。
実際の料理の金額は出席者にはわかりませんが、上記の金額を目安にして香典を包むと良いです。会食には出席しない場合の香典の目安は5千円~1万円程度で、故人との関係によって包む金額を決めましょう。
香典袋にお金を入れるときは、お札の向きをどのようにしたら良いか悩むでしょうが、顔が描かれているほうを下にするという説や特に気にする必要はないという説があります。
お札を数枚入れるときは、全てのお札の向きをそろえて入れるようにしましょう。
また、香典に使用するお札は新札を使わないようにします。新札を使うと、あらかじめ不幸が起きるのを予測して用意しておいたように受け取られるためです。また、香典を渡すときは気を付けなければならないことがあります。
香典の渡し方のマナー
香典は何度も渡してはいけません。
お香典を何度も渡すことは、「不幸が重なる」ということを意味してしまいます。自分が行くときに1回だけ渡すようにしましょう。受付がある場合は記帳をしたあとに香典を渡すようになります。
香典はふくさに包んで持参し、ふくさから取り出してお悔やみの言葉を言い、両手で差し出しましょう。
この時、「冥福」「供養」「成仏」という言葉を使うことはNGです。神道と仏教は人が亡くなるということに対しての考え方が違い、仏教は「仏様」になりますが、神道は「神様」になります。
神道の場合は「御霊のご平安をお祈り致します」「拝礼させていただきます」という言葉を言うようにします。
神道の法事の呼び方について
神道の法事は仏教の法事とは呼び方が違い、「霊祭」や「御霊祭り(みたままつり)」・「式年祭」と呼ばれます。霊祭や式年祭を行う場所は神社ではなく、自宅やお墓の前で行います。
霊祭について
霊祭は故人がお亡くなりになった日から数えて10日ごとに行われます。
故人が亡くなった日から10日目を「十日祭」といい、その後10日ごとに「二十日祭」・「三十日祭」・「四十日祭」・「五十日祭」というように霊祭を行います。
十日祭は仏教でいう初七日、五十日祭は仏教でいう四十九日と同じもので、この日までに遺骨を埋葬する納骨祭を行います。
五十日祭を執り行った後は忌明けとなります。五十日祭の後は「百日祭」、そのあとは「一年祭」を行いますが、一年祭が仏教で言う一周忌になります。
一般的には一年祭が節目と考えられているため、故人の友人や知人、縁が深かった人や親族を招いて盛大に執り行います。
式年祭について
一年祭を執り行ったあとは、「祖霊祭」という呼び方に変わります。
一年祭を行った後は故人がご先祖になったと考えるようになり、一年祭の後は三年祭、三年祭のあとは五年祭、十年祭というように霊祭が行われることになります。
十年祭が終わった後は十年ごとに霊祭をするようになります。この頃には故人は守護神となってその家を守ってくれるようになります。
まとめ
さて、今回は神道の法事に招かれたときの香典や香典袋、水引、神道の法事の呼び名などについてお伝えしてきました。神道の法事は仏教の法事と香典の表書きが違い、使われる香典袋の種類も違います。
「御玉串料(おんたまぐしりょう)」とするのが一般的で、不祝儀袋も仏教で好まれる蓮の絵が入っていないものを選びましょう。また、香典として包む金額も、会食に出席する場合とそうでない場合で変わります。
金額の目安についても、相手に失礼のない金額を包むように気を付けないといけませんね。神道の法事についてはこれまで全く知識がなかったので、調べることで知識を得ることが出来て良かったです。
これから神道の法事に初めて参列する方にも、この記事を読むことで準備に慌てることなく、心から故人を偲んでいただければ幸いです。