足の指に違和感を感じたり腫れや痛みがある時は、痛風の可能性が考えられます。
「風が吹いても痛い」と言われる痛風は、血液中の尿酸値が高くなることが原因とされ、ビールに多く含まれることでも知られるプリン体が体内で代謝される時に生成されます。
本来であれば尿酸は血液の中から老廃物として尿へと排出され、そのまま尿とともに排泄されるます。
しかし、バランスの悪い食生活などで血液中の尿酸値が高い状態が続くと、溜まった尿酸が結晶化し関節の間に付着します。
これが神経を圧迫し、痛みの原因になるのです。
足の指に違和感を感じたら
痛風にかかった人の多くは、最初足の親指に異変を感じると言います。
病院の内科や専門外来では、つま先や足裏のしびれに違和感を覚えながらも様子を見ていたら、指が腫れたりかなりの痛みを感じるようになって診察に訪れたという患者さんがたくさんいます。
最初におかしいと感じた時に治療を開始できればよいのですが、最初の痛みは1週間から10日ほどで自然に治まってしまう人がほとんどです。
それを放置してしまうと半年から1年くらいたった頃に今度はくるぶしや足首、ひざなどの間接にも痛みを感じる発作が起こるようになります。
その後痛みの感覚はどんどん短くなり、最終的には腎臓にも機能低下などの悪影響を及ぼします。そうならないためにも、最初のサインを見逃さないことが大切なのです。
即効薬ではなく、気長に生活習慣の見直し
痛風の治療には痛みを抑える薬と、尿酸を排出するために尿の排泄を促進する薬の2種類があります。
この2種類の薬が処方される場合が多いのですが、どちらもこれさえ飲めば痛風が完治するというものではなく、症状を抑えるためには生活習慣と食生活の見直しが不可欠です。
痛風~突然の激痛から身を守る~
尿酸という名が表すように尿の酸性値が問題となる病気なので、まず尿酸が腎臓から尿の中に排泄されやすくなるよう、アルカリ性の食べ物を中心とした食事を心がけ、尿の排泄量が増えるように気を付けます。
尿量は多いほど尿酸は排出されやすくなるため、水分の摂取量も意識して増やすことが必要です
アルカリ性の食べ物と健康的な生活習慣で自然に予防
発病後の食事療法もそうですが、痛風を予防するには何より尿酸値を高める魚や肉中心の食生活を改め、野菜中心でアルコールを控えた食事が効果的です。
海藻や牛乳、いも類なども尿をアルカリ性に保つ働きがあります。
ビールがプリン体の巣窟のように思われがちですが、アルコールはどれも代謝時に尿酸値を上昇させるため、ビールだけが良くないというわけではありません。
大切なのは他の病気と同様、日頃からの規則正しい食生活と適度な運動、ストレスを溜めこまない心がけが必要です。
ささやかな日々の積み重ねが、痛風の苦しみから私たちを救ってくれるのです。