こんにちは、ライターの長谷川です。
みなさんは思わぬ訃報に、遺族に対してどのような言葉をかけてあげたらいいか悩んだ経験はありますか?
数年前、おじいちゃんっ子だった友人が祖父を亡くし、大変心を痛めていました。
悲しむ間もなく慌ただしそうな友人に、葬儀中もその前も、上手に声を掛けられなかった私。
メールを送ろうにも、何と言葉を掛けたらいいか悩んで、結局はようやく落ち着いてから「大変だったね」としか言えず、“もっと早く心に寄り添う言葉を送りたかった”という後悔があるんです。
今回は、同じ後悔をしないようにうまく伝える方法を調べてみようと思いました。
きっと似たような気持ちのあなたにも役立つといいのですが…。
お悔やみメールの書き方、マナー
もっと早くお悔やみの気持ちを伝えるには、メールでも良かったのかな…と考えていました。
しかし、お悔やみのメールについて調べてみると、訃報の連絡がどんな形で自分に入ってきたかに関わらず、本来はメールでお悔やみを伝える事はマナー上、正しいものではない事が分かりました。
みなさんご存じでしたか?正しくは対面して伝えるのが基本です。
しかし、取り急ぎお送りするお悔やみとして、メールが使用されることがあります。
◇お悔やみメールを使用しても問題ない相手
・親しい友人
・親しい上司・同僚
・親しい仕事の取引先担当者
◇お悔やみメールの使用は避けた方がいい相手
・親族
・気の許しあえない友達
・気の許しあえない上司・同僚
・関係性の薄い仕事の取引先担当者
このように、親しい間柄であれば『お悔やみメール』も、訃報を伝える側の心を支えるメッセージにもなり、メールならではの気遣いも出来たりします。
親族の場合はさすがにお悔やみメールで…という訳にはいきませんのでご注意ください。
メールは“ある一定の距離を持った親しい人”にはOKであるという認識で良いでしょう。
お悔やみメールの書き方には、いくつかの暗黙のルールがあります。
・遺族の多忙な時間に余計な時間を使わせないよう、返信を促すような内容は書かない。
・簡潔で分かりやすく、見やすいものである事。
・親しき仲にも礼儀あり。お悔やみの言葉は、敬語や丁寧語であること。
・文章は短めにすること。
・死因は自分から尋ねないようにすること。
通常、訃報がある際には、通夜・告別式の日時、場所や時間の連絡があります。
故人や遺族とのおつき合いの深さによって、自分がどのように向き合えるのかを考慮してお悔やみメールを書く必要があります。
・すぐに駆けつけられる場合
・通夜のみ、葬儀のみ、告別式のみの参列の場合
・一連の儀式に参列できない場合
また、取引先や社員の家族の訃報などの場合で、遠方などの理由で通夜や葬儀告別式に参列できない時には、お悔やみメールではなく弔電(お悔やみ電報)を送るのがマナーです。
その際も、故人の敬称を間違わぬように注意してください。
※ 忌電で使用される故人敬称の一覧
父 ご尊父(そんぷ)様、お父様、お父上(様)
母 ご母堂(ぼどう)様、お母様、お母上(様)
祖父 ご祖父様
祖母 ご祖母様
夫 ご主人様、ご夫君様
妻 ご令室(れいしつ)様、ご令閨(れいけい)様
息子 ご子息(様)、ご令息(様)
娘 ご息女(様)、ご令嬢(様)
姉兄 御姉様、御兄様、または名前「◯◯様」
弟妹 御妹様、御弟様、または名前「◯◯様」
自分が故人・遺族とどのようなお付き合いをされてきたかを踏まえて、使い分けも可能です。
しかし、親族並みの気軽な呼称は避けましょう。
訃報の後、のんびりお悔やみメールの文面を考えている時間はないとおもいますので、以下で様々な例文をご紹介します。
是非、ご自分に合うお悔やみメールの例として参考にして頂ければと思います。
訃報に対する返信の注意点
お悔やみメールを送る際(お悔やみの言葉や一連の儀式の中でも)不適切な言葉があります。
「忌み(いみ)言葉」と言われるもので、不幸が重なることを想わせるような言葉や、直接的な言葉は使用してはいけません。
≪不幸が重なることを連想させる言葉(忌み言葉)≫
「重ね重ね」「たびたび」「ますます」「もう一度」「引き続き」「繰り返し」「再三」「再び」「重ねて」「続いて」
≪使用を避けるべき直接的な言葉≫
※適切な言葉に言い換える事が出来るので、覚えておく事をおすすめします。
「死亡」「死去」「死ぬ」「亡くなる」⇒「ご逝去」「他界される」
「急死」「事故死」⇒「急なことで」「突然のご不幸」
「生きる」「生存中」⇒「ご生前」「お元気なころ」
また、親しい間柄だからといってメールの件名を一言で済ませてはいけません。
例えば、「大丈夫?」「今、平気?」などは、迷惑メールやウイルスメールとしてフィルターにかけられて相手に届かない可能性もあります。
氏名や愛称などの具体的な内容を組み入れましょう。
絵文字や顔文字、機種依存文字などの使用はおすすめしません。
文字化けを起こしたりすることがある他、重い悲しみに対しては、どれも軽すぎる印象が強いようです。
時候の挨拶なども不要です。すぐにお悔やみの言葉を書くようにし、相手に余計な時間を使わせないようにすることも大切です。
もし一連の儀式のいずれかに参列できる事になったら、是非こちらの動画を参考にしてみて下さい。
【葬儀・告別式・通夜でのマナー】
何も知らないって怖いです。大人として最低限のルールを守れる人になりたいですね!
お悔やみメール文例
では、お悔やみメールの文例をご紹介します。ご自分に一番近い間柄を選び、参考にしながら文面をアレンジしてみて下さい。
≪友人に送る≫1
タイトル:〇〇より>お悔やみ申し上げます。
内容:
お母様のご逝去を知り、とても驚いています。
遠方のため、駆けつけてあげられず申し訳ありません。
今は突然のことで何も考えられないとは思うけど、
あまり気を落とされないように。
何かあったらいつでも連絡くださいね。
≪友人に送る≫2
タイトル:〇〇より>お悔やみ申し上げます。
内容:
奥様のご逝去を知り、驚いています。
遠方のためお悔やみにも伺えず、申し訳ありません。
きちんと食事を取っていますか?
今はまだ辛いと思うけど、子供達のこと、自分のことを考えて、
くれぐれも身体をいたわって下さい。
何かあったらいつでも連絡下さい。
≪同僚・部下に送る≫
タイトル:〇〇です。お悔やみ申し上げます
内容:
このたびは逝去の報に接し、心からお悔やみ申し上げます。
家族を支えなければ、と無理をされていないか心配です。
どうか、気を落とさず、お身体に気をつけてください。
安らかなご永眠をお祈りいたします。
≪上司に送る≫
タイトル:営業1課〇〇です。お悔やみ申し上げます。
内容:
ご母堂様のご逝去に際し心よりお悔やみを申し上げます。
いろいろと大変だと思いますが、どうかくれぐれもご無理をなさいませんように。
遠方のためメールでのお悔やみとなりましたこと、改めてお詫び申し上げます。
私たちでお手伝いできることがありましたらいつでもご連絡下さい。
≪取引先に送る≫
タイトル:【株式会社○○ △△より】お悔やみ申し上げます
内容:
●●株式会社
マーケティング事業部 ▲▲様
ご身内にご不幸がおありだったと伺い、大変驚いております。
略式ながらメールにてお悔やみ申し上げます。
心から哀悼の意を表します。
≪クリスチャンの方へ送る≫
タイトル:〇〇です。ご冥福をお祈りします。
内容:
神の御許に召されました●●様を偲び、
ご遺族がこの悲しみに立ち向かい
たくましく歩んでいかれますことをお祈りいたします。
※クリスチャンの方は「死は天に帰ることで悲しいことではない」という認識があるようです。
同宗でない人が無理に「使う言葉」を合わせることをしなくてもいい、というクリスチャンの方々も多いようですが、「悔やむ」「ご愁傷様」などは避けた方がいいのかもしれませんね。
例文にもありました通り、お互いの関係性が深い間柄であれば、相手を思いやる一言を付け加えると良いでしょう。
まとめ
このように見ていくと、私も友人にもっと早く寄り添った気持ちを表わせたのかな…と改めて思います。
ほんの短いお悔やみメールにも、遺族が励まされる事は間違いありません。
しかし、使い方や送る相手を見誤ると、ただの失礼にしかならないのも事実。お悔やみメールのマナーを覚えて、急な訃報にも大人な対応が出来るようになりたいものです。
◇お悔やみメールを使用しても問題ない相手
・親しい友人
・親しい上司・同僚
・親しい仕事の取引先担当者
◇お悔やみメールの使用は避けた方がいい相手
・親族
・気の許しあえない友達
・気の許しあえない上司・同僚
・関係性の薄い仕事の取引先担当者
◇文面で注意すべきこと
・タイトルには、氏名と「お悔やみ申し上げます」で端的に。
・絵文字、顔文字、機種依存文字は使用しない
・親しい間柄でも敬語が基本的
・時候の挨拶などは不要。
お悔やみメール以外でも、付き合いの深さによって対応に迷う事ありますよね。
そういった時にはやはり、人生の先輩に伺うのが一番いいのかもしれません。
地域や宗派によっては挨拶の仕方や使う言葉も異なる場合がありますが、一般的には「お悔やみ」「ご冥福」で問題はないようです。
自分が直面した訃報にも、一つ一つ学ぶことがある。最後まで故人には頭が下がる、とはこの事かもしれません。